眠り続けたい

 母が亡くなってからというもの、独り暮らしの父のところに行ってあれこれ働いてたくさんお喋りをして帰ってくると、いつも猛烈に死にたくなってその日の夜にODするパターンが続いている。

 まず運転がドクターストップされている私は夫に運転をお願いして実家に行くのだが、実家では終始ほぼ無言だった夫が帰りの車の中で「よく喋るねぇ」と呆れたように言い、帰宅すると色々と片付けをしている私を尻目に自分だけ夜ご飯を食べてすぐ寝てしまうのが常だ。

 私はいくつかの病気のせいで異常に体が疲れやすく、そんな夜は片付けの途中で床に座り込んでしまうぐらい体がつらい。でも一日頑張った交感神経がそのまま暴走するのか頭だけは冴えていて、夫に見放され一人ぼっちで床に転がっていると生まれてから色々あったことがとめどなく思い出されて涙が出てしまう。実家にいた時には当たり前すぎてまた母のモラ洗脳のおかげで全く気付かなかったが、父からもらった愛情は夫という他人とは比べ物にならないほど大きくて深い愛情だった。その一方で今日はずっと母に遠慮してできてなかった恩返しもできたし、父も喜んでくれたからもういい加減私の役目は終わりでいいかな、こんなに頑張ったんだから母も怒らないかな、この家には私の事を大切に思ってくれる人もいないし、思い残すことはもうないね、と死にたくなってしまうのだ。

 でも安心してほしい。死ぬのではない。死なないために眠り続けるのだ。愛犬がいびきをかいて眠っている横で私も眠り続ける。次に起きたときには何事もなかったように日常を始められるかもしれないから。

 つらいなぁ。つらいけどせっかく神様に選ばれてこの世に生を受けて生かされてる命、生ききらないと突然の事故で命を落としたあの人やあの人に申し訳ないと何度も思いとどまる。

 広島のカウンセリングの先生はいつも「よくここまで頑張って生き抜いてこられましたね。頑張りましたね。立派です。」とほめてくださって、そのたびに泣いてしまっていた。またいつか先生にお目にかかりたい。そしたらほめてくださるかな。今日もよく生き抜きました。

 とりあえず死なないために、今日もまた少し多めの頓服を飲もう。

 

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