夢見が悪い朝

 今朝は寝起きが悪く起きる直前まで生々しい夢をみていたので、起きてしばらくしてもそれが夢なのか現実なのかよくわからなかった。

 夢はこんな内容だ。

 私は日常生活を楽しく送っているのだが、ふと思い出してしまうのだ。そういえば誰かの遺体を土に埋めたことがあるということを。
夢の中の記憶では、会社の先輩と車に乗っていたときに誰かを轢いてしまったらしく、息をしないその人物がその事故で亡くなったのかその前から亡くなっていたのか先輩が息の根を止めたのかはハッキリしないのだが、とにかく先輩が「誰も見てないから埋めよう」と言い出してその人物を埋めるのを手伝ったことがあった。
先輩が絶対にバレないから忘れろと言うので忘れる事にしたところ、その事故はニュースにもならないし、埋めた人物は行方不明のまま死亡扱いになったらしいと知り安心して忘れることにした。
だがふとしたニュースか何かでそれを思い出して、調べたら時効がまだだったことに気づき「どうしようどうしよう」と動揺しながら平静を装う。
でも動揺がおさまらない。自首した方がいいのかこのまま隠し通したほうがいいのか。

 実はこの夢、昔から何度も何度も見ていた夢だった。一緒に遺体を埋めるのが会社の先輩じゃなかったり私一人だったり、遺体を埋めるのではなく谷底に投げ捨てたりはたまたクローゼットに隠したり、設定は少しずつ違うのだが「遺体を隠し、それをひた隠して日常生活を送る」というのは同じ夢。

 あまりにも見るので広島で受けたカウンセリングで臨床心理士の先生に話したところ、「何かを押し入れなどに隠してあるのではありませんか?」と聞かれ、実家の自分の部屋の押し入れの奥の方に書き溜めた日記(母に読まれたら殺されるかもしれない内容)があることを思い出した。これは以前ブログに書いたことがある。

 当時は「それだ!」と合点がいってからなぜかその夢を見なくなって、それからもう5年ほどたった。だが久しぶり見た今朝の夢は、夢の中の私がこのカウンセリングの記憶を持っていて「遺体を隠した記憶は夢の中の話で、カウンセリングで解決したことじゃないの?」「夢ということにしてたけどまさか本当の記憶だったの?」と悩みに悩んで、最終的に「ああこれは夢じゃなくて本当だったんだ」と絶望感に陥っていたのだから夢見が悪い。

 さらには今回その遺体が、なんと夫の母親だった・・・

 目が覚めてからも夢なのか現実なのかしばらく判断がつかなかったのだが、一つ確かなことは義母は痴ほう症で施設に入っているが健在だ。だからこれは絶対に夢なのだ。そう考えることで、なんとか落ち着くことができた。
 それから冷静に考えてみたが、義母が夢に出てきたということは、私の心の中で施設に丸投げで実質的に放ったらかしているという罪悪感があるのかもしれない。そしてすっかり忘れていたような会社の先輩が出てきたのも、会社の先輩が怖かった記憶が頭のどこかにまだ残っていてくすぶっていたのかもしれない。

 だがそれとは別に、実際に殺人か遺体遺棄をした覚えたあるような記憶が生々しく残っているのはどうしたことだろうか。人を殺したに匹敵するような何か悪いことをして、まだ償っていない罪悪感があるという意味なのか。私は何をしたのだろう。誰にどうやって許しを請えはいいのだろう。
 思い当たるとしたら、母の思うような生き方をしていない今の自分は生きる権利などないほどの悪人だ、という自覚。もし他人がそんなことを言い出したら「何言ってるの?」「そんなの罪悪感感じる必要ないよ?」「幸せになっていいんだよ?」と私でも言える。だけど自分自身にとっては、こればっかりはどうにもならないほど恐ろしくおぞましい罪なのだ。

 一旦この夢のことは忘れよう。夢だ夢だと言い聞かせよう。何度も見るようになったら、またカウンセリングが必要なのかもしれないな。

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