初めてのお出かけ

うつ病

 病気で家を出られなくなってから初めて、家族以外の人と外で待ち合わせてランチを食べた。
 きっかけは年賀状だった。「だいぶ元気になりました。」と一言書いて送った年賀状に、会社の同期だった友人が封書で返事をくれた。メールアドレスがわからなかったとの事だったが、手書きの手紙をもらってなんだか嬉しかった。メールで話をしているうちに、彼女も夫婦2人でかなり引きこもった生活を送っている事がわかり、なんだか不思議と安心したのだ。トントン拍子で彼女が横浜まで来てくれることが決まった。どうしようと悩む間もなく予定が決まっていったのも、好都合だったのかもしれない。
 職場は全然違う同期だったが、テニスを通じて仲良くなり、美味しい物を食べ歩いたり、飲み歩いたりしていた親友だった。あんなに活発だった2人が、今はお互い家でダラダラしているのもおかしなものだ。彼女と最後に会ったのは10年以上前だっただろうか。全くそのブランクを感じさせない、楽しいひとときだった。やはり今の境遇が似ているのは、話をしていて心地よかった。
  1人で電車に乗って人ごみを歩くのが不安だったが、いざやってみると意外と平気だった。今まで外に出られないと思っていたのは、取り越し苦労だったのかなとも思えた。あとは明日倒れなければ大丈夫。少し自信をくれた彼女に感謝である。

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