ガス給湯器のレンタルに期待する

modern bathroom with white bathtub エッセイ
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 先週の水曜日の夜、突然うちのガス給湯器がその生涯を閉じた。リモコンスイッチの電源がうんともすんとも入らなくなったのだ。幸いお風呂を沸かした直後だったのでその日は事なきを得たのだが、翌日からてんやわんや。管理会社と連絡をとり業者さんに下見に来てもらったところ、なんと後継機種の納期まで早くても3~4か月かかると言う。どうやらコロナやロシア・ウクライナ戦争の影響で半導体不足が深刻らしい。

 それはあまりにあまりなので、大家さんと管理会社さんの計らいで、その間はレンタル給湯器をつけてもらえることになった。が、そのレンタル給湯器は本当に各蛇口からお湯が出るだけで、風呂釜の機能はない。今までは壁のスイッチを押すだけでお風呂に自動でお湯がはられ、お馴染みのメロディーと共に「お風呂が沸きました♪」のアナウンス、と実に快適なお風呂生活だった。でもこれから3~4か月は、湯船につかろうと思ったらシャワーで温度調節したお湯を溜めなければならない。当然追い炊きなどできない。

 思えば最近のうちの夫婦と言えばバラバラで、朝型の夫は朝5時ごろ起きて朝風呂に入る生活。夜型の私は夜中にお風呂に入ったり入らなかったりしならが2時過ぎにやっと眠りにつく。お風呂はどちらかが入るころにはもう冷めているので、毎回水からの追い炊きで実に不経済だった。夫に何度もお風呂は夜に入ってくれと頼んだが全く聞く耳持たずだったので、ガス代高騰も相まってここのところ光熱費がすごいことになっていた。

 なので昨日ようやく業者さんにレンタル給湯器をつけてもらってお湯が出るようになったが、1日に二度湯船にお湯をはるなどもったいないの極みなので、節約のため私は3~4カ月はシャワーだけにしようと心に決めた。でも夫に聞いてみたら、夫はさっそく今朝シャワーでお湯を溜めて優雅に朝風呂を決めて気持ちが良かったらしい。本当なら持病がある私の方が暖かい湯船に浸かりたいのに我慢してるのよ・・・などと恩着せがましいことを言いたかったが、言ったら逆切れされそうである。

 悶々とする気持ちを切り替えて、いろいろ考えた結果:

ここはお互いに妥協して、夜ごはんの後お湯をはってササっと連続でお風呂に入ろう!

と明るく提案してみた。すると夫は意外にもこれを快諾。今夜久しぶりに、夫は夕食後すぐ寝てしまうことなくお風呂に入ってくれたし、私も10時前にお風呂に入るという快挙を達成した。

 でも大昔はこんな感じだったよね。今みたいになんでも便利な世の中じゃなかったし経済的にも貧しかったから、夕食を作って一緒に食べてお風呂はまとまった時間に入って一斉に消灯して寝る、そんな時代もあったよね。最近は下手すると夕食は各自買ってきてバラバラに食べたり、お風呂に入る時間も寝る時間もめちゃくちゃで、だから私は一日中孤独で夜中もずっと一人でもっと孤独で、なんで生きてるのかなあと考えながらダラダラと息をしている。今の世の中はそんな家庭も多いのではないかなと思ってしまう。

 テクノロジーの進化は本当に便利で個人の自由なライフスタイルを演出してくれるけど、あまりにも自由過ぎるからゆえに生活時間が乱れてしまう気がする。昔ストレスケア病棟に3カ月入院したとき消灯起床時間を守ることで生活リズムを治したように、この不便なレンタル給湯器はうちの家庭のリズムを治してくれるのだろうか・・・などと期待しつつ、今夜は珍しく早く眠ってみるとするか。

  

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