生まれた土地を離れて広島で3年間過ごした話③

 広島の精神科は、Google Mapで近所から選んだ。一番近いクリニックは、院長ブログに『アベ政治を許さない』みたいな変な主張が書いてあったからやめて、二番目に近いクリニックにした。

 横浜のクリニックからもらった紹介状を渡したが、重ねて看護師さんから丁寧に問診を受けた。警察の事情聴取よりも詳しく真剣に聞いてくださって、「そりゃ大変じゃったね」などと言われて恐縮してしまった。先生からは同じ薬を処方してもらった他に、食事の指導を受けた。鉄分とタンパク質が不足している事がうつの原因のひとつだとか、そんなお話。そういう本が出てるから読んでみるといいよと言われた。血液検査の結果フェリチンが不足していて隠れ貧血だとかで、鉄剤も処方された。

 それまでの私は、入院した時以外に精神科のクリニックを変えたことがなかった(変えたくても変える勇気はなかった)ので、引越しを機に新しい先生の指導を受けるのはなんだか新鮮だった。

 だが驚くのはここからだ。自立支援医療受給者証の住所変更手続きが終わった頃、お会計を払おうとしたら「今日はいりません」と言われて思わず二度聞きした。「へ?」「広島市は自立支援の方は無料です。」「えっ!払わなくていいんですか?」「はい。お大事になさいませ(←広島流)」

 自立支援医療制度(精神通院医療)は、ご存じの方も利用されている方もいるかもしれないが、通院によって精神障害の医療を受ける場合に、病院や薬局に支払う医療費の自己負担額を公費で補助してくれる制度。自己負担額は医療費の原則1割となる。が、なんとなんと広島市に住民票がある者にはさらに広島市精神障害者通院医療費補助制度という制度があって、この1割の自己負担分も補助してくれる、すなわち精神通院医療費がすべて無料になるのだ。

 さらにこのクリニックには心理療法士が常駐していて、カウンセリングも保険適用されていた。つまりカウンセリングも無料。横浜に住んでいた時には、30分5,000円が相場だと知っていたので決して受けられなかったカウンセリング。それが受け放題だなんて!!ちなみにこのクリニックには鍼灸師の先生までいて、鍼灸や電気治療まで無料だった(鍼は実費のみ自己負担)。

 広島市最高!!

 そこから、私はこのクリニックに2年半通い続けた。2週間に1回45分のカウンセリングを受けながら、心理療法士の先生と信頼関係を深め、心の健康を少しずつ取り戻していったのだ。次回はカウンセリングについてお話ししようと思う。

(つづく)

コメント

  1. アキヨ より:

    はじめまして。
    広島市内で精神科クリニックを探しております。
    よろしければ、通われていたクリニックを教えていただけないでしょうか。
    よろしくお願いいたします。

    • どんぐりえ どんぐりえ より:

      アキヨさん、はじめまして。
      私が通っていたのは中区の木村神経科内科クリニックさんです。
      どうぞお大事になさってくださいね。

      • アキヨ より:

        どんぐりえさん
        教えていただきありがとうございます。
        行ってみます。
        りえさんも、お体にお気をつけてお過ごしください。

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