歌の不思議

うつ病

 連休中、古いiPodをかけながらドライブしていた。すると聞き覚えのあるイントロが流れてきた。

森山直太朗 / 生きてることが辛いなら
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 ボーっと聞いていたのだが、あるフレーズに来たときに私の目から勝手に涙がポロポロと出てきた。琴線に触れるとはこういう事なのだろうか。それからしばらく号泣してしまったので、夫が心配したほどだった。

生きてることが辛いなら
わめき散らして泣けばいい
その内夜は明けちゃって
疲れて眠りに就くだろう
夜に泣くのは赤ん坊
だけって決まりはないんだし

 この歌は、私がうつ症状が本当にひどかった頃によく聞いていた歌だった。当時の自分の心情は正直あまり覚えていないのだが、出だしの「生きてることが辛いなら いっそ小さく死ねばいい」の歌詞に賛否両論あったのは記憶している。”自殺を勧めるような内容にとれる”とかでコンビニエンスストアの店内放送が禁止になったとか。
 ただなんというか「死ねばいい」「泣けばいい」と全てを肯定されたかのような歌詞、この壮大なる”許された感”は、たぶん本当に苦しんだ人にしかわからないのかもしれないが、私の心の片隅に隔離されている過去の辛い記憶を確かに揺さぶったようだった。歌とは本当に不思議なものだ。無意識層にも働きかけるのだから。
 大人だって声をあげて泣いていいんだよねと思うと、やはり今でも泣けてくる。無理して我慢しなくたっていいんだよね。

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辛いけどどんぐりの背比べ
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