変わってしまった私

うつ病

 前回の記事で入院のことを書いたとき、以前入院した時はどんなだったかなとふと思って、古いブログを読んでみた。うつ病でストレスケア病棟に入院したときのブログ。その頃のことは事実としてはなんとなく覚えているのだが、細かいことや気持ちまではほとんど覚えていないのだ。辛いことを忘れてしまう”解離”の一種なのかもしれない。
 「入院1日目」からしばらく読んだところで、涙がポロポロ出て止まらなくなってしまった。脆く壊れそうな心が痛かった。辛かった日々を思い出さないように頭が防御しているのなら、無理に思い出さない方がいいような気もして、途中で読むのをやめた。
 入院と認知療法を経て、やはり私は変わってしまったのだと思う。あの頃の繊細すぎる自分に戻りたいとも思わないが、今の自分も好きではない。社会で苦しまずに生きていくために、ずるを覚えた私は全く誇れる存在ではない。
 入院する前日の日記にこう書いてあった。

療養したら、人間が変わってしまうのか心配だ。どんな治療法を受けても、うつ病になってこそ知った、弱者を思いやる気持ち、他者を受け入れる気持ち・・・そういう大切なことだけは失いたくないと思った。

変わってしまった私を、昔の自分に見透かされている気がした。今の私は自分のことで精一杯で、他人を思いやる気持ちに欠けている。肉体的なだるさや辛さが取れてきているのはいいことなのだろうが、なんだか嫌な人間になっちゃったなあという感じ。かつての私の遺言だと思って、上の言葉は忘れないようにしなければと痛切に思った。

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