いつも溺愛していた愛犬が思うように言う事を聞かなかった。今までこんなに可愛がってきたのにと思うと裏切られた気がして、急に愛情が冷めた。「もう知らない。」「かわいくない。」「パパに育ててもらえば?」気がつくと嫌味ばかりが口をついて出てしまい、愛犬が足の指をペロペロ舐めてきても「あっち行って。」と言ってしまった。
ひどい飼い主だと思う。どうして無償の愛を注げないのだろう。これじゃあ私の母親と同じだ。そう気がついたときは本当に愕然とした。アダルトチルドレンマザーは世代間連鎖すると言うが、まさしく私もアダルトチルドレンマザー予備軍だったのだ。
子供がいなくてよかった。こんな私の元に産まれたら子供がかわいそう。吉永小百合さんはアダルトチルドレンの連鎖を断ち切るために「子供を産み母になる」という夢を諦めたと聞く。そうせざるを得なかった気持ちはすごくわかる。
愛犬は言葉がわからないから、嫌味を理解できないのがせめてもの救いである。でも態度で敏感に感じ取っているのだろう。少し悲しそうな目をして離れた場所からこちらを伺っている。ごめんねごめんね。克服するように頑張るから許してね。私も泣きそう。
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吉永小百合さん(どんぐりの背比べ)
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