うつが治るとは

うつ病

 以前ブログにメッセージを下さった方がいた。うつ病が治るにつれて周囲に対してイライラしてくる事が多くなってきたのは、自分本来が出せる状態への過渡期なのではないかと。その時に「「ウツ」が治るとは、元に戻ることではない――新しく生まれ直す“第2の誕生”」という記事を教えてもらったのだが、なるほどと思うことが書いてあった。
 うつ病が治ると病気になる前の自分に戻ると思っていたが、それはいい意味でも悪い意味でも間違いなのだろう。悪い意味というのは、リンク先の記事には書いていなかったが私の感想である。治ったら輝いていたあの時の自分にまた戻れるのかなと少し期待していたが、それは無理だということだ。年齢も環境もなにもかも昔とは違う。無くしたものを取り戻そうと思うと苦しくなる。諦めることも大事。でもそれを諦めた今は力が抜けて、むしろもっと穏やかなあの頃とは全く違う自分がいる気がしている。
 いい意味というのはリンク先の記事の通りである。うつ病を治すことを「内面的に大きく変化を遂げた自分」に「生まれ直す」ことと考えるとわかりやすい。そもそも「治る」ことは「元の状態に戻ること」ではない。「(元気だったときみたいに)~しなければいけない」などという考え方を頭でしているうちは、まだ動いてはいけないのである。状態だけを元に戻しても、楽しめずに疲れてしまう自分を責める原因にしかならない。記事にも書いてあったが、「このままずっと休んでいられたら幸せだろうなあ」と思えるようになるまで休むのをやめないことだ。そしていいかげん退屈になり自分のやりたい事が自然に出てくるのをじっと待つ。
 私が「別に休んでてもいいんじゃない」などと自分を甘やかせるようになってきたのは、せいぜい昨年後半ぐらいだったと思う。それまでは実に9年と長くかかったが、そこから断薬までは順調だった。実際は日々の生活に追われて、ゆっくり休んでばかりもいられないというのが現実かもしれない。でも慌てて復帰を急いで形だけを元に戻したとしても、再発を繰り返してはもっと辛い日が長く続いてしまう。心を鬼にして休むべきである。こういう時こそ「~すべき」を使うものだ。
 とにかく焦らないこと。飽きるまで休むこと。これに尽きる。

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「ウツ」が治るとは、元に戻ることではない――新しく生まれ直す“第2の誕生”
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