心の癌

うつ病

 ネットを見ていたら「うつは心の風邪」という言葉を見た。まだこんな事を言っている人がいるのか。そもそも誰が言い出したのかなと思って調べたら、製薬会社グラクソ・スミスクラインが1999年にパキシルを売り出した時に使ったキャンペーンコピー” Does Your Soul Have A Cold? “(心の風邪をひいていませんか?)から来ているとか。偏見と誤解を払拭するこの「うつ病」啓発キャンペーンによって精神科の敷居が下がったのは確かで、うつ病は日本では国民病と言われるほど一般的な病気になった。でもこの言葉はすぐに一人歩きを初めて、風邪と同じように放っておいてもすぐ治るというイメージまでついてしまったような気がする。
 私の中では「うつは心の癌」という言葉がしっくりくる。私がこの言葉を初めて聞いたのは、人気脚本家の一色伸幸さんがテレビで言っていたときのこと。「前向きに生きていこうとする気持ちの部分が突然変異して、自分を殺そうとする」という一色さんの言葉に、うつ病は深刻な病気なのだということを改めて実感したのだった。そして今でもその気持は変わらない。というか寛解した今のほうがより強くそう思う。うつ病は一度なってしまったら、再発を気にしながら一生付き合っていかないといけない病気なのだから。

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「ウツ」を“心の風邪”と喩えることの落とし穴DIAMOND online
うつ病は「心の風邪」か?(Yahoo!ニュース個人)

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