私はリアルタイムの情報を得るツールとしてX(旧Twitter)を使っているのだが、最近あまりにも頭を抱えたくなるようなツイートに出くわすことが増えてきた気がする。
以前からデマ・陰謀論やミスリード・炎上を狙ったツイートはチラホラあったものの、『おすすめ』タブにインプレッションの高いツイートが並ぶようになってから酷いツイートを見る機会が増えたのかもしれない。
例えば昨日出てきたこれ。
元ツイートで引用されている記事は、小林製薬の「紅麹」問題で、厚生労働省が原因調査を行った結果、次の事がわかったというニュースである。
腎障害を起こす原因物質は「プベルル酸」と特定された
(「プベルル酸以外の複数の化合物」からは腎毒性は確認されなかった)
ニュースの見出しを読んで得られる情報もそれ以上でもそれ以下でもなく、リンク先のニュース本文をきちんと読めば「腎障害は小林製薬の紅麹サプリに入っていたプベルル酸のみが原因と特定された」という記事であることがすぐにわかる。
厚生労働省などが原因の調査を行っていましたが、これまでにサプリに入っていた「プベルル酸」が腎臓に障害を引き起こすことが確認されていたほか、製品には他に複数の化合物が含まれていると明らかにしていました。
厚生労働省などは18日にオンラインで開いた会見で「化合物については動物実験で腎障害が起きないことが確認された。プベルル酸が腎障害を引き起こすことが確認されていることから、今回の腎障害を引き起こしたのはプベルル酸が原因だと強く推定される」などと明らかにしました。
いや、この「は❓❓❓❓❓❓❓❓❓」と言ってるlooking氏も自分で確かにそう書いている。
それがなぜかコメント欄に「小林製薬に原因はなかったのね!」「政府が一企業をいじめたんだ!」というツイートがあふれる事態になっている。
私はこんなにも文章をちゃんと読めない人が万人単位(いいねの数)でいることに恐怖すら感じた。
これこそが「本離れ」の影響なのだとしたら、義務教育でもっと読解力を高める学習ができないものかと考えてしまう。
そもそもXの短い言葉を、自分に都合のいいように解釈する人が多すぎるのだ。
紅麹問題だけでなく、コロナ、ワクチン、マイナンバーカード、ALPS処理水、etc…
デマに騙される人の大部分は、常日頃から『自分の不遇は政府(権力)のせいだ』と考えていて、短い単語を自分の考えに沿うように変換して理解し「ほらやっぱり!」と早とちりする人が多いように思う。
基本的なことではあるが、ショッキングなツイートを見てもすぐに反応せず、次の4つを必ず実行することが重要である。
- 他の情報と比べてみる
ネット検索し複数の情報を読み比べる - 情報の発信元を確かめる
発信元は信頼できる人なのか信頼できるWebサイトなのか - その情報はいつ頃書かれたものか確かめる
現在とは状況が異なるかもしれないので注意 - 一次情報を確かめる
伝聞なら元になったオリジナルの情報源を探して確かめる
ごくごく当たり前のことなのだが、1つもできていない人が多いので何度でも啓蒙活動していきたいところ。
ちなみに私は信頼できる発信元として、週刊誌と朝日新聞・毎日新聞・東京新聞・共同通信を含めないことにしている。
これらのサイトは過去に何度も誤った情報を流したことがあるし、早とちりする人向けなのか知らないが明らかにミスリードを狙った見出しをつけていることが多くあるからだ。
情報元が新聞社のサイトであっても、複数の情報を詳細に読み比べる必要があるのは言うまでもない。
誤った情報に反応してはいけない。
エビデンス(evidence:「物証」「証言」「証拠」)はいかなる時も必要だ。
これは”「私のなかで何かが終わる」という気持ちにエビデンスがない”という意味で、朝日新聞が報道でエビデンスを出さないという話ではない。1
しかし朝日新聞の高橋純子編集委員は、「安倍政権は気持ち悪い」という感情をエビデンスもなしに下品な文章で書くのだそうだから、朝日新聞には特に注意が必要だ。
繰り返す。
エビデンスはいかなる時も必要だ。
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