夫に突然、こう聞かれた。

ぐりえちゃんってHSPだよね、HSS型のHSPなの?
夫は自分にしか興味のない人であり、人間観察とか性格分析とか全く興味がなかったはずなのに、急にそんなこと言い出すから心底ビックリした。やっと夫婦でこういう話ができるようになったか!
HSP(Highly Sensitive Person)は、環境感受性あるいはその気質・性格的指標である感覚処理感受性が極めて高い人たちに名付けた、エレイン・アーロンが1996年に表した一般書で提唱した心理学上の概念である1。

そうだけど、HSS型ってなに?

HSS型HSPにはアクセルとブレーキしかないんだって(←なんか違うけど)

へぇ。でも私にはアクセルなんてないからたぶん違うね。
なんでそんな話をし始めたのか聞いたところ、ポッドキャストで仕入れた知恵らしい。そして夫はこう続けた。

例えばHSPには猫が見えてても、HSPじゃない人には猫は見えないんだって。だからHSPと非HSPはそもそも話が合わないらしい。
なるほど、ある意味わかりやすい例えである。

それでHSPは人口の20%しかいないらしい。つまりぐりえちゃんは少数派!普通の人は猫は見えないんだよ!
おお、それが言いたかったのか。つまり「人の気持ちがわからない俺はおかしくない」と言いたいわけだ。私が「非定型発達」とか言ってたから反撃してきたのかな?はいはい、私が悪い私が悪い。
※自分がHSPかどうか知りたい方は、エレイン・アーロン氏の日本語化ブログサイトでセルフチェックができるのでどうぞ⇩⇩⇩

それから気になって調べたところ(昨日もう色々調べないことにしたのに・・・)HSSという概念とHSEという概念を初めて知った。
HSS(High Sensation Seeking)は心理学者マービン・ズッカーマンが1979年に一般書で提唱した、刺激追求型という概念である2。
HSE(Highly Sensitive Extrovert)はカウンセラーのジャクリーン・ストリックランドが2018年にエレイン・アーロン氏のブログで提唱した、外向型HSPという概念である3。
よくわからないのだけど、いつからか日本のブログ界隈では ”HSPは次の4つの概念に分類できる” というのが定説になっているらしい。
- HSP ー 刺激を求めないし内向的
- HSE ー 刺激を求めないが外交的
- HSS型HSP ー 刺激を求めるが内向的
- HSS型HSE ー 刺激を求めるし外交的
ほえ~!知らない間に概念がいっぱい増えてた。確かに人間なんて多種多様なのだから、一つの概念にまとめられる訳もない。だからこうやって4つの分類に分けても、その中でもちょっと違うと思う人が出てくるのだろうけどね。
ところで検索するといくつかのブログでは、縦軸を「刺激を求める/刺激をもとめない」横軸を「内向的/外交的」とした座標平面を示していて、4つの象限を上記4つの概念として説明している。
でもこれ、いったい誰が描き始めたのだろうか。エイレン・アーロン氏のサイトをいくら読んでも「人口の15-20%を占めるHSPのうち、さらに30%が外向的なHSP(HSE)である3」と「敏感性とHSSとの間に関連性はなく、あなたや他のHSPがHSSである可能性は50%/50%である4」しか書いてない。果たしてHSS型HSEなんてものが存在するのだろうか?ものすごく違和感を感じてしまう。
HSPの分類って、座標とかじゃなくてこういうことじゃないの?

- HSPの50%はHSS特性を持つ(全人口の10%)
- HSEはHSPの30%(全人口の6%)
- HSS特性を持つHSEの割合は不明
HSEがHSSに完全に含まれる可能性もあるし、HSEとHSSは全く接しない可能性もある。(当事者さんの話をかいつまんだところ、HSEの人はHSSが多いという話もある。)
そして夫が言ってた「HSS型HSPにはアクセルとブレーキしかない」というのもちょっと違ってて、正しくはこうらしい。
HSS型HSPは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる感覚がある5
バンジージャンプやスカイダイビングやホラー映画が好きだったり、新しいお店ができるとすぐ行きたくなったりするけど、繊細で疲れやすいから行くと人の多さにげっそりして帰ってくるそうな。
なにやら大変そうですねぇ・・・。
結論。ここまで色々調べたものの、やはり私は刺激を求めず内向的な生粋のHSPである(全人口の10%以下)。クリープ現象のままブレーキに足を乗せながら徐行運転してるとでも言えばよいだろうか。
HSPセルフチェックにある ”一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ” とか ”同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が悪くなる” には当てはまらないからもしかしたらHSPじゃないのかもしれないけど、それはたまたま「処理速度」「ワーキングメモリ」能力が人より高いせいなのかな。それでも日々げっそりしていることに変わりはないので、これからも目をつぶって耳を塞いでひっそりと生きていきたい所存である。

- 「ハイリー・センシティブ・パーソン」ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/ハイリー・センシティブ・パーソン ↩︎
- Zuckerman, M. (1979). Sensation seeking: Beyond the optimal level of arousal. Hillsdale, NJ: Erlbaum. ↩︎
- 「内向型、外向型そしてHSP」The Highly Sensitive Person, 2018.04.24更新, http://hspjk.life.coocan.jp/blog-introversion-extroversion.html ↩︎
- 「刺激追求型(HSS)のHSP―それぞれにひとしく愛を注ぐ」
The Highly Sensitive Person, 2023.06.27更新, http://hspjk.life.coocan.jp/blog-HSHSS-Giving-Equal-Love-to-Both-Parts.html ↩︎ - 「アクティブなのに人一倍繊細?最近言われるHSS型HSPとは?」coki(公器), 2020.01.21更新, https://coki.jp/article/voice/846/ ↩︎
コメント
こんにちは。ぐりえさん、その後調子は如何ですか?
HSPテスト(こういうのは大好き笑 もっと項目が多くても面白かった)、早速試しましたよ!
14項目のチェックで「あなたは恐らくHSPです」と出ました。
これはそうだろうな、と思っていました。
子どもの頃から「大人ってデリカシーがない!」とずっと思っていました。なのであまり自分を出さない子でした
ね。
この年になっても、祖母や両親に悪気なく傷つけられたことはいろいろと覚えていますよ!
でも今も憎んでるとかは全くないです。私はその理想形になれなかっただけで、スミマセンね〜という気持ち(笑)
延々とノートにその時の気持ちを書いたり、好きな男の子に振り向いて欲しくて、今日は彼とお話出来た!とかいうことをポエムにしていたのは12歳の頃でした。
繊細(と自分の事を言うのは気が引けますが)な人はいろいろと損だと思ってます。
夫なんて、MRIに入って寝てしまう人なんで、もう羨ましい事この上ないですよ!