詩人の谷川俊太郎さんが亡くなった。昨晩、報道ステーションでそのニュースを見ていた時、「諦めてもいい」という谷川さんの声を聞いてハッとした。
これは、今年の3月に公開された”対談|谷川俊太郎×宮内ヨシオ『生きてるってどういうこと?』”という動画の中で、谷川さんが話された言葉である。
年寄りって、また若い人と違ってね、全然発想が変わるんですよ
だからね諦めてもいいとか、絶望してもいいとか
そういうマイナスの価値が認められるようになっている
だから、言ってみればすごく自由になっていて
自分が感じることは全部リアリティがあるんだと思うようになって
あんまり、こういうふうに感じちゃいけないとか
こんなことを思っちゃいけないとか、というふうにはなってなくて
「なんでもありだ」という感じになってますね、今や
私はこの言葉を聞いて、ホッとして肩の力が抜けた。年を重ねれば重ねるほど上手くいかないことが多くなって、必死に抗ってもがいている日々。頑張り続けて、我慢し続けて、疲れ果てて倒れてしまうことの繰り返し。私もそろそろ色々なことを諦めなきゃいけない年齢なのだろうと、うっすら気づいてはいた。でもどうしてもそれを認めたくなくて、「諦めなくちゃいけない」「絶望しかない」とネガティブに考えていた。けれど谷川さんは「諦めてもいい、絶望してもいい、マイナスの価値が認められる」とおっしゃった。そしてそれを「自由だ」と。
なんて素敵な考え方なのだろう。その境地までたどり着けば、人生もう無敵じゃないか。今の私はまだ過渡期なのかもしれないけれど、年を重ねて全能老人になるのも悪くない。少し楽しみが増えたと思った。谷川さん、素敵な言葉をありがとう。
対談動画はこちらから⇩⇩⇩
谷川俊太郎さんのご冥福をお祈りいたします。
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