卵の穴あけ器

続々・どんぐりの背比べ

 以前「おいしいゆで卵の作り方」という記事で書いたが、新鮮すぎる卵をゆで卵にするときは、ゆでる前にお尻側にヒビを入れてからゆでると、つるんと上手に剥ける。それを知ってからというものゆで卵を剥くのが楽しくて、私たち夫婦は快適な朝を迎えていた。ちなみに夫婦それぞれ朝起きる時間が全く違うので、ゆで卵は私が夜のうちに作っておき、剥くのは朝の各自のお仕事である。
 先日買い物のついでに100円ショップを通りかかった時、「卵の穴あけ器」なるものを見つけた。卵を乗せて押すと下から針が出てきて、お尻に穴が開くというもの。自分でヒビを入れる方法は簡単なのだが、たまにできたヒビがゆでてる途中に広がって卵の白味が少し外に出てしまうことがあったので、私はこの穴あけ器を買ってみた。
 初日。穴あけ器を使って穴を開けてゆでた卵は、殻が小さくボロボロ割れて剥きにくいことこの上ない。時間はかかるし白味はボコボコになるし、久しぶりに味わうこのイライラ感。穴の開け方が足りなかったのかと思い、2日目は穴を2個開けてみた。が、やはり上手に剥けない。いや、きっと何かの間違いだと3日目も穴あけ器を使ったが、どうしてもボロボロになってしまった。
 もしかしたら私だけなのかもしれないと思い、夫に最近卵が剥きにくくないか聞いてみた。すると夫が即答。「剥きにくい!なんで?」私が穴あけ器の事を説明すると、夫はブーブー文句を言い出した。「ほんとにやめて。」「今までのでよかったのになんで変えたの。」「もう迷惑なレベル。」「嫌がらせか。」ここまで嫌だったとはちょっと笑ってしまったが、私も異存はなかったので卵の穴あけ器は捨てることにした。100円がもったいなかったが、イライラするよりはマシだと思った。
 それからまた、お尻にヒビを入れて卵をゆでる日々。平和な朝が戻ってきた。原始的な方法が一番だったとは、道具に頼りすぎるのも考えものだと思った。ちなみにネットでもその商品は売っているのだが、レビューを見ると高評価の人が多いのが驚きである。私が使った時も穴はちゃんと開いていたから、不良品という訳ではないと思うのだけど。すごく謎。

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