動揺

　昨日母から電話があり、具合が悪くなったので手伝いに来て欲しいとのこと。聞けば深刻な症状ではなさそうなものの、わざわざ言ってくるぐらいだから困っているのだろう。私も多少動揺しながら準備をしていたら、しばらくしてまた電話。父がいろいろやってくれているので、やはり来なくていいという。
　こういう時、すごく困ってしまう。家族関係の事はいつも母の言うとおりに行動してきた私なので、常に判断は母に仰いできたし、母に従えば間違いはないと思ってきた。ただ母本人の事となると、話を額面通りに受け取ってしまっていいものか。遠慮だったり皮肉だったり言葉の裏返しだったりする場合があるから、本心を読み取るのがとても難しい。従わないと怒られる時もあるし、従うと怒られる時もあるからだ。
　普通の心優しい娘だったら、母が具合が悪いと聞けば何を差し置いても飛んでいくものなのかもしれない。でも母の感情に振り回されるのを避けて、適切な距離を探っているところ。私自身の調子もあまり良くない。行くべきか行かないべきか悶々としてしまった。ここで「行きたい」という自発的な感情が全く出てこないところが私なのである。こればかりはネットで検索してもわからない。「実母からこう言われたらこう行動するべき」という指南サイトがあれば便利なのになあと真剣に思った。かなり迷ったが、本当に来なくていいと何度も言われたので結局行くのをやめた。
　とりあえず先ほど母に電話をしたら、それほど悪くなさそうだったし機嫌もよかったのでホッとした。このまま治ってくれますように。