美容院にて

続々・どんぐりの背比べ

 今日は美容院に行ってきた。美容院はうつ病患者にとって最もハードルの高い場所の1つと言えよう。長い時間きちんと座っているのも難儀だし、なにより美容師さんと世間話をしないといけない雰囲気が苦痛だ。「普段なにをされてるんですか?」などと聞かれても答えようがない。美を求める空間の中にいる自分が場違いなのは否めず、帰宅後ドッと疲れて2-3日寝込んでしまうのが常だった。実際、うつ病患者の多くが美容院を敬遠して長髪なのではないかと推測する。私も一時期は腰まで髪が伸びていた。
 うつが良くなるにつれて髪は短くなり、最近はばっさりショートヘアにして、1ヶ月半に1回は美容院に通えるようになった。美容師さんとの会話も、犬の話題やお天気の話題でなんとか乗り切っている。美容院に行くたびに、うつが確実に回復してきていることを実感するのである。
 そんな私の通っている美容院、前回からシャンプー台が新しくなってバックシャンプー方式になった。美容師さんがシャンプー台の後ろから手を伸ばして頭をマッサージしてくれるのが本当に気持ちいい。顔の上に覆いかぶさってこないから、圧迫感や緊張感も少ない気がする。「シャンプーが気持ちいい」と思えるようになったのが、今日美容院へ行くモチベーションとなったのも事実である。
 ところが気持ちよすぎるのも困り物で、今日はシャンプー中に大きな口を開けて寝てしまった。もともと悩んでいる日中の眠気に加えて、昨日は夜更かしをしてしまってさらに寝不足だった。そこに仰向けで気持ちのよいマッサージをされたのだからたまらない。このバックシャンプー、顔にタオルをかけないので開いた口が美容師さんに見られていたと思うと恥ずかしい限りである。次回はしっかり睡眠をとってから行かないといけないと思った。

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