激増する就活自殺

テレビ

 昨日TBSの「報道特集」を見た。といっても夕食を作りながらだったので真剣にずっと見ていた訳ではないのだが、そのタイトル「就職活動を苦に自殺急増の理由・・・ある大学生の場合」が気になったので。
 ここ数年「就活自殺」が急増しているらしい。「就活自殺」とは、要は就活をきっかけにうつ病になってしまった学生の自殺のようだ。就活を通して自分が否定されたように感じてしまい、ライバルである友人に相談する事もできず、絶望と孤独に押しつぶされてしまうのだろう。なかなか内定がもらえない学生ばかりでなく、内定が決まってもちゃんと働けるかどうか不安になる「内定ブルー」になってしまう学生もいるそうなので、一概に就職難だけが原因とも言えない気がする。
 最近の若い子は確かにかわいそうだと思う。小さい頃から何でも揃っている豊かな環境で大事に育てられ、絶対に欲しいものとか絶対にやりたい事とか夢とか希望とかこれ以上考えられるのかなと思う。しかも経済成長は頭打ち、少子高齢化で年金は破綻寸前、アラフォーの私ですら悲観的なのだから、もっともっと先の長い20代の子達が将来を楽観視できないのもわからないではない。就活はそんな中で初めて経験する大きな挫折なのかもしれない。
 悲しい事に今の日本は、一度失敗したらなかなかやり直しのきかない世の中だ。数ヶ月間が勝負の就活中に、精神的に辛いならしばらく休んだほうがいいよなどと言っても休むことなどできないのはよくわかる。でもやっぱりうつ病は休まなくちゃダメ。休んで欲しい。死を選択する前に騙されたと思って休む勇気を出して欲しい。
 というのも最近うつ症状が回復するにつれて気づいたのだが、本当は生き方を元通りに”やり直す”必要などないのだ。順調に見えた人生のレールから外れても、世間体等のしがらみを捨てて全く別の生き方を探すのが一番ラクで、実はそれなりの幸せもついてくるものなのだ。幸せに小さいも大きいもなく、自分が少しでもニコっとできる瞬間があればそれが紛れもない幸せなのだし、その瞬間においては自分以外の他の誰も感じることのできない貴重な気持ちなのだから。そのためには他人や過去の自分と比較するのをやめる。それだけでもいくらかラクになれると思う。
 どうも優良企業の正社員でなければ幸せになれないような、そこから外れた人生はもう終わりみたいな、画一的な価値観をあおる報道も気になる。もっと多様な生き方や価値観があるということを認める社会にならなければいけない。そしてありきたりではあるがセーフティネットの充実。これがあってこそ”休む勇気”が持てるようになるだろう。余談だが昨年の自殺者数が15年ぶりに3万人を下回ったそうだ。「就活自殺」についても何かしら手立てはあるはずだ。

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激増する「就活自殺」その背景には(全日本民医連
自殺者3年連続で減少 若年層は変わらず日テレNEWS24
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