大きな病院にて

続々・どんぐりの背比べ

 人間ドックでD判定になっていた箇所の精密検査のため、某大きな病院へ行ってきた。出かける直前にたまたま母から電話があった。以前も書いたが母は病院嫌い。精密検査に行くとうっかり口を滑らせてしまったら、「そんなもの行くほうがバカ(略」「私だって具合が悪いけど病院なんか行かないのに(略」「人間ドックは医者と結託して金儲けのために(略」などと色々言われた。ただでさえ行きたくなかったのにますます行く気をそがれたが、予約してしまったので仕方なしに出かけた。
 予約は一般の初診が終わっている午後の時間だった。着いたときには他に誰も待っている人はいなく、私は受付をすませて椅子に座っていた。大きな病院らしくコンピューターで受付番号が振られて順に呼ばれる仕組みなのだが、なぜだか私の後から来た人が先に前室に呼ばれていた。最初の2人までは何かの理由で順番が前後しているだけかと思ったが、次の予約時間の人にまで抜かれたところでさすがにおかしいと思い、通りかかった看護師さんに聞いたら、「え?」とビックリした表情。受付番号や受付時間を見て謝ってもらったが、かといって抜かれた順番が戻ることはなかった。
 私が病院で順番を抜かれたのは1回や2回ではない。よほど私の病院運が悪いのか、それとも病院で順番を間違えるのは日常茶飯事なのか。どうやったらこんな簡単なミスをするのかさっぱりわからない。前に精神科で完全に忘れられていたときは、存在を否定されているような気がして泣いてしまったこともあった。正当な理由もなく後回しにされるのは本当に嫌いだ。
 後から来て先に帰って行くほかの患者さんを見て、イライラしたり泣きたくなったりしながら1時間以上待って、ようやく私の番が回ってきた。問診や触診の結果とくに異常はなさそうだったのだが、せっかく紹介されたのだから念のためということで、また日を改めて精密検査をすることになった。待っている間「もう二度とここには来るものか」と思っていたので、また来なければならない事がとても不本意だった。
 結局のところ、母の反対を押し切ってまで病院に来たのに嫌な思いをしただけだった。先生も「なぜこれで引っかかったのかな?」とおっしゃっていたので、母の言っていた「人間ドックは金儲けのために(略」を思い出してしまった。こうやってまた、”母の言うことを聞かなければ悪い事が起こる”という刷り込みが行われたことを強く感じた。
 ただ検査予約の説明をしてくださった看護師さんがとても親切だったので、私の機嫌はだいぶ直った。帰りに大好きなスターバックスのコーヒーを飲んで帰ったので、気持ちも落ち着いた。初めは病院名を晒して文句タラタラ書いてやろうと思っていたが、大人げないのでやめにした。せめて次回は順番を守ってほしいものだ。

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