マナー

続・どんぐりの背比べ

 今度久しぶりに知人の結婚披露宴に出席することになった。何を着ていこうか迷い何気なくネットを調べていたら、「披露宴に黒いドレスはNG」という記事を見て驚いた。お葬式を想像させるからとか。私は黒いドレスしか持っていないし今までも黒いドレスで披露宴に出席してきたが、これは失礼なことだったのか。自分的には正装だと思っていただけにショックだった。
 気になって調べると、出るわ出るわ披露宴の服装マナー。一連のパールネックレスはNG。ツートンカラーはNG。膝が出るドレスはNG。下ろしたヘアスタイルはNG。黒い靴はNG。黒いストッキングはNG。昼間の肩出しはNG。昼間のエナメル靴はNG。昼間の光物アクセサリーはNG。つま先の開いた靴はNG。ファーはNG。革のバッグはNG。白い紙袋ではなくサブバッグを持ちましょう。もちろんこれらの意見は一部の人が言っているにすぎず間違ったマナーもあるし、最近はあまりうるさくなくなってきているとは言え、細かく理由を聞くとなるほどなと思わなくもない。世間体が異常に気になる私にとっては、一度こういう話を聞いてしまったら守らざるを得ない。
 すっかり頭でっかちになり、装い全てを揃え直さなくてはと夜も寝られなくなった私を見て、夫は考えすぎと笑った。よく考えればこの手の”常識”なぞ、たかだか明治だか昭和だかに誰かが言い出しただけの事。たいした歴史もない事をかたくなに守り続ける必要もないのだが、うるさい人もいるから困る。私の母がそのいい例で、冠婚葬祭の他人のマナー違反をいつまでも陰でネチネチ言うタイプだった。でもそんな母の常識も、こうしてネットの常識と照らし合わせるとちょっとズレていたりするのだ。誰の意見を聞いたらいいのかわからなくなる。

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