英語のメール

続・どんぐりの背比べ

 外人からメールが来た。仕事をしていた頃、一緒に働いていたフランス人だ。とても親切な人なのだが、やんわり断ることができずに困る。彼は私が体調を壊して会社を辞めたことを知って、会社の友人からしつこく私の家のメールアドレスを聞き出したそうだ。それからというもの年末になると、近況報告と体調を心配する英語のメールが来る。日本語でも病状を報告するメールは面倒くさいのだが、英語で返事を書かないといけないから大変だ。私の病気をどこまで知っているのかもよくわからない。そもそもフランスにうつ病はあるのか。いいかげん面倒くさくて返事をしなかったときがあったのだが、友人のところに「ぐりえのメールアドレスは変わったのか?」と何度も問い合わせがあったと聞き、他人に迷惑はかけられないため結局毎年返事を返している。
 今年もまたメールが来た。悲しい事に私の英語力は年々目に見えて落ちている。英語で仕事をしていた事が嘘のようだ。英語でメールを書くことは、面倒くさいを通り越して苦痛である。心配していただくのは本当にありがたい。なのにそれを素直に喜べない私はひどい人間だという自責の念にもかられ、余計に憂鬱になる。もう何日間も返事を書けずじまいで、何かが胸につかえたように気分が晴れない。

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