作業本

続々・どんぐりの背比べ

 リビングの片づけをしていたら、イラストロジック本やらぬり絵本やらえんぴつ写経本やらが出てきた。ネットを辞めてから時間をもてあまし、こういう作業にハマっていた時期があったのを思い出した。あの頃はうつ病による負の自動思考がひどく、何もしないと変な事ばかり考えてしまっていたので、すがる思いで黙々とえんぴつを動かしていた。いわゆる作業療法である。いや、むしろ作業に没頭することに依存していたのかもしれない。一日中イラストロジックをやっていて、いつも手が真っ黒だった。
 どこにそんな時間があったのかと思うが、当時は家事など全くしていなかった。お米すら炊かなかった。買い物にも行かなかった。本当に記憶がないのだが、ご飯はどうしていたのか全くもって不思議である。ガストのデリバリーはよく利用していた気がする。食べ物の味とか正直どうでもよかったが、あそこのハンバーグだけは好きだった。あとはもしかしたら夫がお弁当やお惣菜を買ってきてくれていたのだろうか。申し訳ない事をしていたなと今さらながら反省する。
 最近やっと、夕食の片づけを終えたあとに達成感のようなものを感じるようになった。これまではやれやれという疲労感と、これで家事が終わるという安堵感しか沸かなかった。ちょっと満足している自分。本当にここ数日の出来事だ。久しぶりの感情が新鮮である。
 ちなみに出てきた作業本たちは捨ててしまった。今は作業するより寝ているほうが幸せなので。でも何も考えたくないとき、とにかく時間が早く過ぎてほしいときには本当におすすめである。

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