文章って難しい

続々・どんぐりの背比べ

 文章って難しい。
 ブログでもメールでもレポートでも自分の言葉で書いた文章は、読み返してみると直したくなる場所が次から次へと出てきていつまでたっても終わらなくなるものだ。ともすると直しているうちに考え方まで微妙に変化してきたりして、満足のいく完成形なんていつまでたってもできやしない。いつもある程度のところで「もういいや」と切り上げているのが現状だ。
 頭の中の思考って本当に多様で時々刻々と変化していて、本当はそんなに単純な言葉では言い表せない。でも文章にする場合は主旨を簡潔にしないといけないから、できるだけシンプルに短い言葉におさめようとする。そうしているうちに使った短い言葉だけが自分の考えそのものだったような錯覚が起きることもあって、しばしば他人の誤解も生むし、自分ですらその言葉に洗脳されてしまう時があるのが怖い。
 昔、テレビドラマ『ツレがうつになりまして』の最終回で、精神科医が「人間には言葉があるから、あーじゃないこーじゃないって意味付けをして、自分を消すところまで追い詰めてしまう。」と言う場面があって、言葉が浮かんでも拾わないで流すように注意されていた。当時、言葉での表現を大事にする私としては納得いかない話だと思ったが、今ではなんとなくわかる気がする。
 わーっと湧いてきた感情を文章として書き出すのは考えがまとまる場合もあるしストレス解消になっていいのだが、それを残したり何度も読み返したりするのは果たしていいことなのか。その瞬間の自分と次の瞬間の自分はまた違う考えの持ち主であって然るべきなのだ。頑固な私であるからこそ短い言葉で物事を決めつけないで、もう少し柔軟に考える癖をつけないといけないと思うのだが、なかなかね。

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