生活音

続々・どんぐりの背比べ

 退院して実家にしばらくいた時にある発見があった。家族みんながやたらドタンバタンと音をうるさく立てて生活しているのだ。こんなにうるさい家だったっけ?と驚いてしまった。母は機嫌が悪いと物に八つ当たりをすることがあったので、てっきり怒っているのだと思いビクビク顔色を伺っていたが、音を立てながらもニコニコしていたのでそれはそれでビックリした。泊まりに来ていた姉は夜中でもドアを激しく開け閉めしたり大声で歌を歌ったりしていて、そう言えば昔もそれで迷惑していたという記憶が蘇ってきた。強いて言えば父が静かだったかも。父は母に怒られないように気を使っているのだろうと思った。
 こうしてみるとどうやら生活音の大小は、育った生活環境だけで決まるものではないようだ。特に私はうつ病になってからというものいわゆる「聴覚過敏」になってしまい、加えて「幻聴」とまではいかないまでも音の背景に色々な理由をあれこれ想像してしまうようになって、それ以来生活音に必要以上に敏感になったのかもしれない。さらに一軒家とマンションでは騒音に対する感覚が違うという気もする。マンションでは上下左右の家に迷惑をかけないように、なるべく静かに過ごそうとする習慣がつくようだ。
 まあマンションでも例外はあって、うちの上の階はギャーギャードドドドキーンと早朝も深夜も色々うるさいわけで、久しぶりに帰宅しても相変わらずの平常運転だった。でも実家での事もあって、夫は上の階を何とも思っていないみたいだし私が気にし過ぎなのかもと思うようにもなり、なんとなく以前よりは頭に来なくなっている。

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