バス運転手のバートンさん

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 朝、体が重かったので布団の中でゴロゴロしながら、最近あった嫌だった事を鬱々と思い出していた。思い出せば出すほどイライラするから、今日のブログにはこの嫌だった事を書こうかなと悶々と考えていた。そんな時たまたまついていたテレビから聞こえてきた海外ニュースは、とあるバスの運転手が女性の命を救った一部始終が写っている防犯カメラの映像が、全米に感動を呼んでいるというニュースだった。
 ニューヨークのバス運転手であるバートンさん。バスを運転中に通りかかった橋で欄干の外にたたずむ女性を発見し、乗客を乗せたままバスを停車させた。クラクションを鳴らしてみたが女性に反応はなく、近くを通る歩行者も自転車も気づいてくれない。緊急通報をかけつつ、それでは間に合わないと判断したバートンさんはバスを降りて女性に声をかける。”Ma’am, are you okay?(奥さん、大丈夫ですか?)” 女性は何も答えなかったが、バートンさんが女性に近づき腕をつかみ抱きかかえながら、”Do you want to come on this side of the guardrail?(ガードレールのこちら側に来ませんか?)”と問いかけると、初めて”Yes”と言ったそうだ。それからバートンさんは救助隊が到着するまでの15分間、手を握りながら女性と語り続けた。バスに戻ると乗客からおこる拍手喝采。バスは20分ほど遅れて発車したが、文句をいう乗客は一人もいなかったという。
 欄干の外にいた女性は、どれだけ辛く苦しく寂しかったことだろう。その寂しさに気づき、決して見て見ぬふりをしなかったバートンさん。世の中にはまだこんなに優しい人もいるのだと知り、それまでの鬱々と淀んでいた私の心が洗われる思いがした。まだ人の良心を信じてもいいような気がした。ブログには他人の悪口なんかじゃなくて、このいい話を書こうと決めた。
 と同時に、これが日本だったら「バスの運行が遅れた」「もっと違う方法で救うべき」とか言って非難する人が出てきそうだと思って勝手に悲しくなった。踏切内にいた男性を助けようとして女性が電車にはねられ死亡したニュースに、ネットで心ない言葉が浴びせられていたことは記憶に新しい。無心で人を助ける。これ以上すばらしい行動はないと思うのだが、なぜか日本では「偽善だ」とか言う人が必ず出てくるのだ。
 ちなみにこの動画を探していてわかったのだが、これは10月の末に起こった出来事らしい。そしてさらに、この話に感動したアメリカの億万長者の男性が、バートンさんに1万ドル(約100万円)を贈ったそうだ。それに対してネット上では「額が少ない」とか「税金対策か」というコメントがあって少し笑ってしまったが、バートンさんに対しても億万長者に対しても否定的な意見が思ったより少なかったのでホッとした。日本人は冷たいというのは、私の考えすぎだったのかもしれない。でもまあ日本にはこういうお金持ちがいないのは確かかも。

Bus Driver Hero Rescues ‘Suicidal’ Woman On Bridge
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