老妻が起こす事件

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 また悲しい事件が起こってしまった。

79歳妻、夫を殴り死なせた疑いで逮捕 40数年前の女性問題で口論
神奈川・中井町で、40年以上前の夫の女性問題から口論となり、79歳の夫の頭などを棒状のもので殴るなどして死なせた疑いで、79歳の妻が逮捕された。
傷害致死の疑いで逮捕された、無職・鈴木良子容疑者(79)は、15日午後8時半から9時ごろにかけて、中井町の自宅で、夫の雅晴さん(79)の過去の女性問題から口論となり、雅晴さんの頭や腹などを棒状のもので殴るなどし、死亡させた疑いが持たれている。
鈴木容疑者は、2013年9月にも、雅晴さんと40年くらい前の女性問題で口論になり、警察官が駆けつけていて、今回、調べに対し、「事実関係はほぼ間違いないが、棒は使っていない。夫の女性問題で口論になった」と供述しているという。

 「とくダネ!」を見ていたらこのニュースをやっていて、またかと思った。昨年の8月に、70歳の大学名誉教授の男性が61歳の妻にマグカップで殴られて死亡したというニュースは記憶に新しい。その時の記事は非公開にしてしまったが、当時そのニュースを聞いてうちの母は大丈夫かなと心配になったものだった。今回は事件のきっかけが40年以上前の浮気ということで、司会者やコメンテーターは「そんな昔のことで」と驚いたような呆れたような様子だった。けれどもうちの母もしばしば、やはり40年以上前のある1つの父の行動を思い出しては昨日の事のように顔を真赤にして怒リ出すので、私にとっては別に不思議な事ではない。そういう人は一定数いるのだと思っている。
 この夫婦、近所の人に話を聞くと「手をつないで買い物に行っていた」「庭いじりが好き」「夫は家のことも良くやっていた」と評判の仲良し夫婦である一方で、妻については「悪女だ」「怒鳴り声や罵声が聞こえてきた」「夫に対してよく怒っていた」「(夫は)家に帰るのが怖いと言っていた」と裏の顔がある様子。妻本人は今回の事を「自分の言うことを聞かないのでやった」と供述しているとのこと。すごくわかる。自己愛性パーソナリティ障害をこじらせたモラハラといったところか。夫をターゲットにして蜜月期と爆発期を繰り返していたのかな。それにしてもこういう時に意外と近所の人は見ているのだなという事に驚く。
 別居の息子は「(夫婦仲は?)なんとも言えない。反省する気があるのか会ってないからわからない。」とのコメント。両親とは距離を置いている感じで、息子なんてそんなものかもしれないと思った。しかしこの夫婦は次女と3人暮らしだった。同居する次女がコンビニに行っていた30分ほどの間の事件だったようで、次女は事件の後しばらく父の異変に気づかず母と食事をしていたという。次女と言っても50歳ぐらいなのだろうが、きっと50年間ずっと両親の事で苦労してきたであろうことは容易に推測され、それも含めて今の気持ちを思うといたたまれない。
 世間一般的には年を取ると過去の怒りは薄れると思われがちなのかもしれないが、マグカップ殺人も今回の事件もこの手の問題を起こす人は、むしろ怒りが増幅しているようだ。しかも年を取ると前頭葉が萎縮するとかで感情の制御が効かなくなるそうだから、若い頃なら我慢できた怒りの爆発が止められなくなってくるのかもしれない。これまでうちの母の爆発期は言葉の暴力がほとんどで、せいぜい父の大事な物を壊したり父に掴みかかって暴れたりする程度だった。まあ大丈夫そのうちやらなくなるだろうと希望的観測をしていたのだが、これらのニュースを聞くと、実は年老いていくこれからこそますます気をつけなければいけないのではないかと妙に心配になってしまう。

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