着信音

続々・どんぐりの背比べ

 今日も昼間はずっと寝ていたのだが、2度ほど家の電話の着信音で起こされた。2回めの時はちょうど嫌な夢を見ていて、夢の中で電話が鳴ったのでものすごくドキッとした。起きても混乱してしまって状況がよくわからなかったのだが、とにかく息を殺して着信音が止まるのを待った。
 うつ病になってからというもの、私は電話が嫌いだ。人と話すのがとても苦痛。いつも留守番電話設定にしてあって、基本的に電話には出ない。そもそも親しい人は用があればメールか携帯にかけてくるので、固定電話にかかってくることはめったにない。かかってきたとしても重要な要件なら留守電に入れてくれるだろうから、必要であればそれを聞いてから取るか折り返しかけ直せばいい。たいていの電話はどうでもいい電話らしく、留守電に切り替わった瞬間ブチッと切れてしまう。大した用がないならかけてこないで欲しいのに。
 固定電話なんて解約してしまえばいいのかもしれないが、社会的には電話番号ぐらい持っていないといけない気がして解約ができない。電話線を引っこ抜いてしまえばいいのかもしれないが、完全に外界との接触を断つのもまずいのではないかというジレンマ。
 できるならば着信音を消したいのだが、残念なことにうちの電話機にはそういう機能がない。というか調べてみたら、固定電話はそもそも着信音を消すという概念がないらしい。電話としての意味がなくなってしまうからか。しかもうちの電話機、着信音が鳴るコンマ何秒か前にスピーカーのスイッチが入るらしく、「プチッ」とかすかな音がする。もうその音を聞いただけで動悸がする私は、異常なほどの「電話恐怖症」なのかもしれない。
 ちなみにもっと本音を言えば、携帯の着信音の方が嫌いだ。親しい人が用があってかけてくるのだから、これはなかなか居留守を使うことができない。用件によっては外に出なければならなくなったりするので、電話を受けると憂鬱になる展開が多い。私の中で携帯の着信音は、平穏な一人きりの生活を乱すきっかけの音という認識なのだ。ただし、夫の帰るコールを除く。

コメント

テキストのコピーはできません。