生まれて初めて救急車に乗ってしまった

エッセイ

 一昨日、ワタクシとうとう生まれて初めて救急車に乗ってしまった。

 昨年の10月だったであろうか。死にそうになったが救急車を呼ばずに頑張り抜き、その話を後日かかりつけ医にしたら「死にますよ。そういうときは救急車呼んで下さい。」と言われたことがあった。その時「次はちゃんと#7119(救急相談センター)にかけよう!」と心に誓ったのだったが、早くも「次」が来てしまったのだ。

 そもそも4月の頭にひいた風邪が2週間以上たってもまだ治ってなくて、喉と鼻の症状もさることながら胃腸までおかしくなっていた。数日前にはひどい下痢をして、それが治まってからはずっとみぞおちが重く痛く、そのせいか前日の夜から突発的にムカムカと吐き気が。そしてその日はブランチのロールパンを1個食べたあとリビングにいたら、在宅勤務の夫が入ってきて昼食の麺類を”ズズッズズッズッズッ”と食べ出したので「ススラーの食べ方は本当にうるさくて嫌だな」と思いながら黙って耐えていたのを覚えている。
 それから夫が出て行ったのでホッとしてテーブルでPCを開いて仕事をしていたら、ムカムカっと再び吐き気が来て、ついには脂汗?冷や汗?が出てきて椅子から崩れ落ちてしまった。目の前真っ暗&耳鳴りがして全身がしびれてきたので、冷静に「貧血なのかなあ」と思いつつ、過呼吸にならないようになるべく息をゆっくり吐くことを心がけていたら少し治まってきたような気が。そこで「何が起きているのかバイタルをチェックしなくては」と思い、立ち上がってパルスオキシメーターと血圧計のところに行こうとしたら、全然大丈夫じゃないではないか。そのままの勢いで廊下に出て、たまたま夫の部屋のドアが開いていたので「助けて・・・」と言ってそこで力尽きて倒れてしまった。

 夫は慌てて出てきて「どうしたの?救急車呼ぶ?救急車呼ぶ?」と前回同様なにもできない様子だったので、「#7119にかけて・・・」と指示を出すワタクシ。そうしている間もどんどん体はしびれて手足は硬直し、意識が遠のいていく。夫は#7119を押したスマホをスピーカーホンにして、そっと私の口元に置いた(え?なぜ?)
 神奈川県の#7119は最初に「救急車を呼ぶべきかなど救急の相談をしたい方は1を、神奈川県内の今受診できる医療機関を知りたい方は2を」みたいな選択肢があり、夫が「どうする?どうする?」と言うので「1で」とお願いしたと思う。そしたらやたら落ち着いたオペレーターさんが出てきて、どうされましたとか患者さんはどなたですかとか何歳ですかとか聞かれたので、「わたし・・です・・(かくかくしかじか)」と自分で訴えていたのだが、ほんと意識が遠のいてもう無理ってなって「家族に・・・かわりま・・・」とだけ言ってバタンQ。たぶんこの時オペレーターさん「家族いたんかーい!」って思ったと思いますよ、ええ。
 そしたらオペレーターさんが「救急車を呼んだ方がいいと思います。」と判断してくださったので、救急につないでもらって夫が住所を伝えて(聞いてたけどマンション名とか間違えてた)救急車を待っている間に吐いたり。でも妙に冷静なワタクシは病院からは自分の足で帰らなくてはならないだろうと「バッグとお財布用意して・・・」「ちゃんとした服に着替えさせて・・・」とか帰りの心配までしてましたとさ。
 でも何故か夫が真っ先に着替えてたから「一緒にいくの?」と聞いたら「行く!」と張り切っててビックリ。いや、私を着替えさせておくれよ。

 数分後に到着した救急隊員さん、あっさり「吐いたことによる過換気(=過呼吸)かな!」って言ってたので、申し訳なさすぎて「じゃあ病院いいです・・・」と遠慮してしまったが、「まぁちゃんと見てもらいましょうよ!」と背中を押してくださった。それで安心したのかストレッチャーに乗ったら本当になんも力が入らなくなってしまって、本気で気が遠くなってしまった。救急車に乗ったら見たいものチェックしたいもの聞きたいこと色々あったのに、何も覚えてないのが残念。

 気がついたら病院の救急外来っぽいところで、看護師さんたちがサササっと挟んだり貼ったり刺したりいろんなものを体につけてくれて、逐一「今いちばん辛いところはどこですか!」って聞いてくださって、ふと見たらいつの間にか点滴されてて(素早い!)、みぞおちと右わき腹が痛かったので念のためCTも撮ってもらった。「頭が朦朧としてて・・・手足のしびれが・・・」と言ってたら「しばらく寝てたら良くなると思いますよ」と言われてしばらく寝かされてたのだけど、検査結果が出て説明を受ける頃には意識はだいぶ戻ってた。
 先生らしき方(看護師さんと同じような青いスクラブ着ててよくわからなかったけどたぶん先生)が来て「みぞおちの痛みや吐き気の原因はわからなかったのですが緊急性のあるものではなく、その後の症状は過換気かと思われます」との説明と「胆石があります。今は胆管を塞ぐ位置ではないので問題ありませんが、もしここの激しい痛みと熱が出たらその時はまたすぐ救急に来てくださいね」との新情報をいただいて、点滴が終わったらそのまま返されましたー

 ちなみに夫は「帰りはバスで帰るか!」となーんも考えずにのたまったけど、私ふらっふらでヨレヨレTシャツにジャージにつっかけですよ。ふらっふらですよ。意識まだボンヤリですよ。ふらっふらですよ。「タクシーで帰りたい」と、そこだけはハッキリ言わせてもらった。
 それと帰り道、夫に「ぐりえちゃん救急車2回目だねー」と言われて頭がバグった。いや、初めてだけど?「そうだっけ?〇〇の時に乗ったよね?」と自信ありげに言われても、いやいや呼んでないし乗ってないし。経験したことを忘れてるならまだしも、経験してもいないことを経験したように覚えてるの本当に怖いんですけど。

 それにしても今回の症状、一体なんだったんだろう。私全然ハァハァしてなかったし、むしろなるべく過呼吸にならないように気をつけてたのに、いつ過換気(過呼吸が続くことで起きる症状)になったんだろう。

突然の吐き気 → 冷や汗&目の前真っ暗&耳鳴り&全身しびれ → なるべく息をゆっくり吐く → 手足しびれ&硬直 → 意識朦朧 → 吐く

これのどこで過換気になるの?いや、もしかしてもう最初の「吐き気」のところですでに過換気だったのか??
 てか過呼吸ってほぼ100%ストレスや不安でなるものでしょ。なにか過呼吸になるほどのストレスあった?ハッ!まさか夫のすすり音のせい?自分ではそこまで自覚してないけど、実はめちゃめちゃストレスかかってたのかなぁ💦

 という訳で今回の教訓はですね。

夫の昼食時には部屋を出るか Loop(耳栓)をつけるべし

教訓そこかっ。

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