浅田真央さん

テレビ

 昨夜はソチオリンピックの女子フィギュアシングル・フリー決勝があった。もう結果はみなさんご存知の通り。私がコメントする立場でもないが、浅田真央選手の演技には強く心を揺さぶられてしまった。
 正直私はマスコミの前評判ほど浅田選手には期待していなくて、頑張ってくれればいいな程度だった。ショートプログラムは朝起きてから結果を知ったぐらいだし、トリプルアクセルも失敗する確率が高いのだったらやめればいいのにとか失礼なことを思っていた。
 そんな感じだったのでフリーもライブでは見ていなかったのだが、朝の録画中継を見て冒頭のトリプルアクセルを成功させた瞬間、私の目からは無意識に涙がボロボロ落ちてきた。勝手ながら、私の中でずっと封印して見ないようにしてきた「あきらめない」という気持ちが思い出されたのかもしれない。それからも次々と決めるジャンプ。そして音楽が止まった瞬間の号泣。参った。涙が止まらなかった。誰に何を言われようとあきらめずに自分の追求する事をやり遂げた時、こんなにも感動するものなのだと改めて知らされた。たぶん私にはもう「頑張る」ことはできないけれど、疑似体験をさせていただいて浅田選手には感謝の言葉しかない。こんな事なら生で見ていればよかったと少し後悔した。
 生真面目なほどに頑固なほどに自分と戦ってきた浅田真央さん。ジャッジの採点を見ると、もうこんなにチャレンジする選手は出てこないのではないかと思えてくるのが非常に残念だ。それでもたぶんご本人も観客もメダルなんてどうでもいいと思うぐらい感動する演技だったことは確かで、他人の評価など自分の満足度の前では霞んでしまうのだということも教えてもらった。
 試合後の彼女のコメントは「支えてくれた人たちや応援してくれた人たちに、私なりの恩返しはできたかなと思います」というもので、どこまでも誠実な人だった。お疲れさまでした。期待してないとか言っててごめんなさい。あきらめずに頑張ってくれて本当にありがとう。

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