最近、手書きしてないなあ

NHKのクローズアップ現代『最近、手書きしてますか?最新研究が明かす“頭を動かす力”』を見た。

これまで国を挙げてデジタル化に力を入れてきたスウェーデンやアメリカの教育現場では今、昔ながらの『手書き』の授業を推進するという大きな方針転換が始まっているという。理由の1つはデジタル化の拡充とともに子供たちの学力調査の結果が低迷してきたこと。そりゃそうだよね、知ってた速報である。

では日本はどうなのか?いま国が目指しているのは『子供の特性を生かしながら様々な考え方に触れさせる学習』とかで動画やアプリなどのデジタルの授業が増えていて、手書きをする時間は減少傾向にあるらしい。学習用の生成AIまで活用させている学校もあって、なんと国語の先生が「AIを使う力が考える力になります」と自信ありげに言い切っていたからひっくり返りそうになった。ああ、これじゃあ簡単な文章すら読めない若者が増えてるのも無理はない。AI使うのは自分で考える力を十分に養ってからにしたほうが。日本にますますデマに騙されやすい国民が増えそうな予感がして頭を抱える。

なんでも最近の小学生は字が汚かったり、自分でも読めないような字を書く子が多いという。聞けば、タブレットのデジタルドリルでは手書き入力で字のバランスが崩れてもアプリが自動で補正してくれるらしく、鉛筆で紙に書くのは難しいとか。私も最近あまり字を書かないので字が汚くなったと悩んでいたところだったが、想像を超えるレベルで謎の文字を書く子供たちを見てかなり近未来感があった。

スタジオゲストは、手書きの効果を科学的に研究している兵庫教育大学の大塚貞男准教授だった。先生いわく、手書きは脳に様々な刺激を与える事がわかっているそうだ。

書く時には以下のような複数の感覚が働く

  • 運動:指先や手の動き
  • 触覚:紙の感触や筆圧
  • 時間間隔:リズムや間
  • 視覚:文字の形や配置
  • 聴覚:音韻やペンの走る音

これらを脳で統合的に処理することを『マルチモーダル』という
この統合が脳を活性化して記憶を促し、思考力の向上などにもつながる

こりゃボケ防止のためにも「手書きしないと!」と焦るワタクシである。

さらに番組では、手書きを活用してライフスタイルを見直そうという面白いワークショップを紹介していた。『ジャーナリング』というらしい。

今年もっともやり遂げたことというテーマで直観的にわいてくるものを2分間いきましょう

使うのは紙とペンだけ。心に浮かんだ考えや感情をそのまま書き出していく。言葉をつむぎながら思考を整理することが目的だ。ポイントは手書きならではの”遅さ”。タイピングと比べて文字を書くにも言葉を選ぶにも自然と時間がかかる。その余白がじっくりと考えることを促すのだ。

ジャーナリングを指導する荻野淳也さんは言う。

ジャーナリングは一つの正解を導き出すのではなくて、自分から出てくるものを自由に書き出すような作業。
こういった思考を発散的思考(制約を設けずに多方面へ自由に思考を広げること)」と呼んでいて、0から1生み出すような人間らしい創造性につながるものではないかと思う。

情報がすごく溢れている現代社会の中で、自分の考えを巡らせることに集中することが非常に大切なのだそうだ。ちょっとググったら、荻野さんはジャーナリングのことを『書くマインドフルネス』と位置づけているらしい。書く瞑想である。なるほど、わかる。全ての湧き出る思考に耳を傾け、気づき受け止め、自己理解につながるという訳だ。ますます「手書きしないと!」と思うワタクシ。

最後に「手書きがもっている意味とは?」と問われた大塚准教授の言葉が胸にささった。

手書きとは『人間らしさ』だと思う。
手書きは身体感覚を伴った作業であり人間らしい思考の源になりうるもの。
AI時代に人間に求められているものはなにか?そのヒントが手書きに詰まっているのではないか。

AIじゃない生身の人間らしくあるために、私も手書きで思いをつらつら書く作業をさっそくやってみようかなと思った。

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