書くこと

エッセイ

 うつ病を悪化させない方法。それは考えないこと、言葉を捨てることだと言われた。私は文章を書かなくなり、ずっと続けていたブログをやめた。それから2年たった今、確かに私のうつ病は快方に向かっている。1日16錠飲んでいた薬は4錠に減った。スーパーのお惣菜ばかりだった夕食も、なんとか自分で作れるようになってきた。朝夕きちんと犬の散歩に出かけるようになり、散歩友達ができた。
 ふと先週、かつてのブログを読んでみて驚いた。そこには生の叫び声が溢れていた。これが私かと愕然とした。今の私はどうだろう。何も浮かばない。何も考えられない。これはいいことなのだろうか。私はうつ病が治るのと引き換えに、考える能力を失ってしまったのかもしれないと思った。
 何か書いてみたくなった。試しに近況を書いてみることにした。別人のように稚拙な文章しか出てこない。入力しては消し、入力しては消し、ようやく悟った。私にはリハビリが必要だ。このままでは以前と同じブログには書けない。そして新しくこのブログを立ち上げた。

 もしかしたら、書くことによってまたうつ病が悪化してしまうのかもしれない。あるいは、以前の私を知っている方はくだらない内容にがっかりしてしまうかもしれない。けれども今は単純に何か書いてみたい。馬鹿な私を笑ってください。

 以前のブログ→どんぐりの背比べ

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