失われた10年間

続・どんぐりの背比べ

 知ったかぶりの私は、人との会話中に「あそこはこうだったよ。」などとプチ情報を話すことがある。でもこの前そんな事を言いながらふと気づいた。それが10年も20年も前の情報だということに。ついこの間のことだと思っていたのに、私の知識なんて全部古くて使い物にならないのだ。
 なんというか、この10年間の記憶がない。それもそのはず、ほとんど家に引きこもって寝ていたのだから。最近少しずつ元気になってきて、犬の散歩などもするようになってきて、近所の友人と外に出るようになってきたが、この失われた10年間が重くのしかかる。
 10年前の私と今の私は人が違ったようである。幸いなことに不思議と一番苦しかったときの感情もあまり覚えていない。ぽっかり穴が開いた感じ。無駄な10年間だったのかなと思う。でもきっと私にとっては必要な10年間だったに違いない。今はそう思うように努力している。

神は真実である。あなたがたを耐えられないような試練に会わせることはないばかりか、試練と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。
(コリント人への第一の手紙10章13節)

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