私は最近どうにも失敗ばかりする。先日はセブンカフェでアイスコーヒーにミルクを入れようとしたのだが、なぜかミルクをゴミ箱に流し込んでしまった。ここのところこういう失敗は日常茶飯事で、コップの水を床にばらまいてみたり、お財布を冷蔵庫に入れようとしたり、何かを書くときに全然違う事を書いてしまったり、自分が意図した事とは違うふうに体が動くので我ながら愕然とする。
最初は頭がおかしくなったのかと心配になったが、冷静にこれらの妙な行動を分析するとだいたい一度にいくつもの事を同時にやろうとしているときに起こることがわかった。私は面倒くさがり屋の癖に動き始めるとせっかちで、やらなければならない事をいっぺんに片づけたがる性質がある。右手と左手は違う事をして、口では誰かと他の話をしていて、頭では次にやるべき事を考えているなどということがよくあった。若い頃はこれでちゃっちゃと事が進み、会社でも「マルチタスク」と重宝されていたものだった。
ところが最近この回路が狂ってきたようなのだ。前述のアイスコーヒーの件は、左手で持ったゴミを捨てようとしつつ右手でミルクを入れようとしていたのだが、間違って右手のミルクをゴミ箱に持っていってしまったのだ。全然違う事を書いてしまうのもそう。頭で別の事を考えていると、間違えてその考えている事のほうを書いてしまうのだ。完全に混線である。
これは大発見。最近私の事を「ドジっ子」と呼ぶ夫にこの分析を話したところ、「え?そもそも同時にいろんな事なんてできないでしょ?」と笑われた。そうだった。女性脳と違って男性脳は脳幹が細いから、一度に複数の事を考えられないのだった。会社で「マルチタスク」と言われていたのも、女性は私しかいなかったから珍しがられていたのだった。
しかし困ったな。うつ病だったせいなのか老化か痴呆かしらないけど、脳が委縮でもして脳幹が細くなってきたのだろうか。こうも失敗が続くといちいちやり直しや片付けが大変だし、何より精神的に落ち込む。これからはおとなしく一度に一つのことだけやるように心がけようと思う。もうそういう年なのだ。
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