イラク派遣 10年の真実

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 昨夜はきちんと7時のニュースを見て、その流れで「クローズアップ現代」を見た。「イラク派遣 10年の真実」というテーマだった。イラクへの自衛隊派遣に関する政治的な内容かと思い、その件に関してあまり強い主張も持たない私は流し聞いていたのだが、途中のナレーションに驚きテレビに集中することになった。

イラクへ派遣された陸海空の自衛隊員は5年間で延べ1万人。帰国後28人が自ら命を絶っていた。

年間約3万人が自殺している日本である。この数字が多いのか少ないのかわからないがたぶん多いだろう。防衛省は、亡くなった28人がイラク派遣と直接因果関係があるかないかについてはわからないとしている。派遣された多くの隊員は現地での任務にやりがいを感じていたともいう。けれども現地に派遣された医師が隊員の精神状態を分析した内部資料では、睡眠障害を訴える隊員や、生死に関わる経験のあと精神が不安定になるASD(急性ストレス障害)を発症していると診断された隊員がいた。派遣された約4000人を対象に行なった心理調査の記録によると、睡眠障害や不安など心の不調を訴えた隊員はどの部隊にも1割以上いて、中には3割を超える部隊もあったそうだ。
 帰国後、精神の不調を訴え自殺した40代の隊員の妻の言葉が印象的だった。

「(自殺した隊員は)1人2人ではないです。亡くなった人数ではないんですけど、その亡くなった人数かける何十倍の人が苦しんでいるわけで、そこはマイナス面も含めて表に出していかないと苦しいですね」

レポートは「自衛隊に求められる役割が広がる中で、防衛省はさらなる対策を求められている」というナレーションでしめくくられていたが、これまでも現地に医師が派遣されたり帰国後カウンセリングが行われたりはしていたようだ。これ以上どういう対策があるのだろうかと心配してしまう。訓練されて熱意を持って望んだ任務なはずなのに、それでも1割強の隊員が精神不安に陥るとは、いかに過酷な任務なのか想像に難くない。海外情勢や政治にあまり詳しくもないのでうかつなことも言えないが、とにかく争いのない平和な世界になることを願ってやまない。

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