鈍感になりたい

続々・どんぐりの背比べ

 昨夜も夜11時頃、上の階から耳障りな掃除機の音が聞こえてきた。いつもなら早く寝てしまう夫が珍しく起きていたので、「また掃除機かけてるね」と言ったら夫は曖昧な表情で笑っていたので、聞けばキーンという音が全く聞こえないという。もしかして私の幻聴なのかと一瞬思ってしまったが、夫曰く耳が良すぎる私と自称耳が少し悪い夫の間のことなので、「えー?聞こえないの?」ということはよくある。
 昔から私は耳も目も良すぎるらしくて、離れた場所の人の話す内容が気になったり顔色が気になったり、気が休まる時がなかった。健康診断などで「これだと疲れませんか?」と言われた事も多々あった。いい意味で”鈍感”な夫を見ていると、つまらないモヤモヤに振り回されることなく平和そうで本当に羨ましくなる。うつ病になってからは特に神経が過敏になり、ただでさえ聞こえすぎる音がさらに大きく聞こえるようになってだいぶ悩まされてきたが、調べると自律神経の乱れによる聴覚過敏はうつ病の症状の1つらしい。
 私は以前から気にし過ぎない人になりたいとよく書いていて、それは主に心の問題だと思っていたのだが、そもそもセンサーである五感から”鈍感”になりたいものだ。幸い2.0あった視力は、不摂生な生活がたたって0.2まで落ちた。それでも普段メガネをかけないでいるのは、見えない生活がとても心地いいからである。気がつかないふりをするのではなく、本当に気がつかないという事実がありがたい。聴力も年齢とともに高周波数が聞こえなくなるというので、遠くの掃除機の音が聞こえなくなる日が早く来ないかなと思ってしまう。

 ・・・・ここまで書いていて思ったが、こういうのって健康な肉体を持つ人のワガママなのかもしれないね。

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