認知行動療法

うつ病

 私のうつ病がだいぶよくなってきた要因の1つに、”認知行動療法”があると思う。
 頭が凝り固まっていた私は、自分の性格が変えられるのが嫌で、最初は絶対にそんな療法なんて受けたくないと思っていた。いい年して”自分を変える”とかおかしいんじゃないかと思っていた。ところが、ストレスケア病棟に入院していたときに臨床心理士さんから 『いきなり”考え方を変える”ことはできないかもしれないけれど、こちらが提案する”新たな試み”を行動にうつしていただくことで、認知療法的考え方を実行していくのがいいのでは?』 と持ちかけられ、背中を押されるようにプログラムを受ける事になったのだ。
 ”認知行動療法”は、言葉を選んで考えるという点で、国語みたいだなと思った。国語が好きだった私は、この作業をスラスラとこなすことができた。そして私は、ひとつの情報で全てを推量してしまう”レッテル貼り”という思考パターンが多いことがわかってきた。日常生活の中でも、ふと『あ、またレッテル貼りしてる!』と思えるようになってきた。
 しかしこのころから、文章が書けなくなってきた。それまでの私は、無意識の思いがとめどなくあふれていて、書いても書いても止まらなかった。ところが”認知行動療法”を受けてからというもの、『待って、もっと他に考え方はないの?』などと頭で考え直すようになり、そして思いは止まってしまい、苦悩を書きためていたブログを閉鎖して今に至っている。
 もちろん、うつ病を治すという意味では、大変に効果があったと思うのだが、あの頃の危なっかしくも純粋な文章を読むにつけ、少し寂しい気もするのである。

 以前のブログ→どんぐりの背比べ

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