午前中いつものように横になっていたら、たまたまフジテレビがついていて「ノンストップ!」が始まったのだが、今日のテーマは「死ぬまで続く“母の呪縛”」というものだった。実母との関係に40代になってから悩む人も多いというナレーションを聞いて、思わず起き上がってテレビを見てしまった。
自殺願望のあった母に精神的虐待を受け、母が亡くなった今でも苦しんでいるというLiLiCoさんの話には心が痛くなったが、私はどちらかというと過干渉の母に苦しんでいたという小島慶子さんの話に興味があった。小島慶子さんは母からの「理想の娘」像の押しつけに苦しみ、母との距離をとるのに10年かかったそうだ。ハキハキ言いたいことを言っているようにみえる小島さんでもこういう苦しみがあったとは意外だった。不安障害になったときにかかったカウンセラーには、反抗期があって反抗していたからこれぐらいですんだと言われたとのこと。これを聞いて、反抗はおろか母に対して否定的な意見すら言ったことのない私は大丈夫なのかと、我ながら苦笑した。
雑誌「婦人公論」の編集長・三木哲男さんは、母の呪縛をテーマに扱うと読者からの反響は多いと言っていた。母と息子には見られない関係で、母が娘に「女性としての生き方は私が手本だから」と刷り込んでいくのだそうだ。もしくは自分が叶えられなかった夢を娘に叶えさせて「代理満足」を味わう。「娘は母の作品であると本気で思ってるんですよ。」という解説にスタジオの男性陣は「えー」となっていたが、私は全く驚かなかった。むしろそういうもんだと思っていたし、自分が母の作品であるという自覚は物心ついた頃からあったし、いい作品になるように死ぬほど頑張ってきたし。この生き方・・・間違っていたんだろうなあ。
「ノンストップ!」ではたびたびこのテーマを扱っているというだけあって、「どんな親でも本当は愛情があるはず」とか「親には感謝しなければいけない」などというトンチンカンな事を言う人がいなくて本当にホッとした。スタジオに寄せられた意見にも共感できるものが多くて、母の望むように生きてることに苦しんでいる女性がすごく多いことを知り、なんだか勇気づけられた気がした。またこの特集があったら見ようと思う。
しかし距離の取り方といっても難しいなと思っていたちょうどその時、母から電話があった。ランチのお誘いだったのだが、この前会ったばかりだし体調も優れなかったので断ってしまった。母が気分を害したらどうしようとドキドキだったが、最近ずっと機嫌のいい母はさして気にもしていなかったようだ。このまま適切に距離が取れればいいのだけれど。
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