11月5日の「解決!ナイナイアンサー」に丸岡いずみさんが出ていて、”地獄の「うつ」闘病記録”を告白していたという。ネット上に番組を見た人の「うつ病ってあんな風になるんだね」とか「心理カウンセラーがうさんくさい」などという書き込みがあって私も見ればよかったと思っていたら、ネット上に動画があったので視聴できた。動画を上げてくださった方に感謝。
東日本大震災の取材が原因でうつ病になったという丸岡さん。うつ病の再現VTRは私にとってはどうってことはない普通のうつ病だったが、ただ「うつ病は心の弱い人がなる病気と偏見をもっていた」という丸岡さんは、自分がうつ病だと認めたくなかったのか入院するまで抗うつ薬を飲まなかったらしい。「母にヒ素を盛られた」と思い込むほどの極度の被害妄想に襲われる症状にはびっくりした。抗うつ薬も色々と言う人はいるけれど、やはり適切に飲めば症状が改善されるのは確か。あまりにもひどい状態のときはきちんと飲まないと怖いなあと思った。
そしてネットでは「うさんくさい」と書かれていた心理カウンセラーの心屋仁之助さんの登場である。丸岡さんは心屋さんに「うつが再発しないか」という心配を相談していた。番組によればうつ病の再発率は約60%だという。
心屋さんは「私は医者じゃないのでうつを病気として取り上げていない」と前置きした上で、うつを「ブレーカーが落ちて全部が止まっちゃう状態。ブレーカーが落ちたのは安全装置。」と表現した。うつの原因は頑張りすぎと我慢のしすぎ。自分が頑張れば、自分が何とかしなければ・・・と何もかも自分1人で背負い込む。ではなんでそんなに1人で抱え込んできたのか?質問に誘導されて丸岡さんが答えたことには、「両親の期待に応えたい」「お母さんにとって自慢の娘でありたい」という思いが隠されていたことが見えてきた。挙げ句の果てにはうつになったダメな娘。母のお荷物でしかないと思い込んだという。
食べられないのに無理して母親が作ったお粥とかを頑張って食べていた。なぜ食べていたかというと、それを食べないと体力がもたないとかそういうことではなくて、せっかくお母さんが作ってくれた食べ物をなんとか口に入れようとしている自分を肯定したかった。
この気持ち、わかりすぎるほどわかる。ああ、ここにも母の期待に応えようとする娘の苦悩があったのか。うちの母親もそうなのだと思うが、丸岡さんのお母さまもおそらくひどく過干渉というわけではないのだと思う。丸岡さんは「勝手な自分の思い込みなんですけど」と言っていた。「母の期待に応えたい」というのは娘としては当然の思い。けれどもそれも度を過ぎると、頑張りすぎて頑張りすぎて辛くなってきてしまうのだ。
心屋さんは、今の丸岡さんには「親の法律で自分を見張ってる自分からの卒業」が必要だと言った。親の価値観で自分を見張ってることから卒業することを「自立」と言うのだそうだ。その「自立」のための魔法の言葉はこれ。
「私はもう人に迷惑をかけてもいい」
「人を困らせてもいい」
「お父さんお母さんの期待に応えなくてもいい」
「私は母を越えてもいい」
「私は母のように幸せにならなくてもいい」
復唱した丸岡さんは「今までに味わったことのない気分ですね!」と言ってやっと笑顔になった。ためしに私も唱えてみた。ちょっと涙が出た。さらに魔法の言葉は続く。
「お母さんにがっかりされてもいい」
「またうつに戻ってもいい」
「またあの苦しい思いをしてもいい」
「うつにはなりたくないです」と苦笑する丸岡さん。しかし心屋さんが言うには、戻りたくない戻りたくないって思ってたらうつの事ばかりを考えてる事になるので、「またうつになってもいいや」ぐらいのほうが楽になれるのだそうだ。
ネットではこの日の心屋さんについて「うさんくさい」「カウンセリングの内容がひどい」などと書かれていたが、私はすんなり受け入れることができた。そのような文句を書いている人は同じ思いをしていないからわからないのかなと思った。私は今まさにうつの再発を恐れているし、母の期待に応えなければならない窮屈さも痛いほどわかるし、心屋さんの言葉1つ1つが本当に心にしみた。もちろん全てのうつ病の人にこのカンセリングがいいとは言わないが、私や丸岡さんのようないわゆる優等生体質でうつ病になってしまった人には心が楽になる言葉が多かったと思った。
ただ、自身もうつ病で休業経験がある番組司会の岡村隆史さんも言っていたが、丸岡さんが重いうつ病から2年で戻って病気を告白できるようになったのは喜ばしいことなのだが、少し早いような気がするのだ。まだ完全回復ではないのではないかと心配してしまう。無理して「元気になりました!」などと言う必要はないから、どうかのんびりお仕事してほしい。
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解決!ナイナイアンサー 2時間SP 2013年11月5日放送分(FC2動画)
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