「並んでいる時に後ろから押してくるおばさん」という人種はどこにでもいるようで、ネットを徘徊しているとしばしばそういうおばさんに対する文句を目にする。そうと知らない頃は、背中を押されるたびに「私ってそんなにモタモタしているのだろうか」と不思議に思っていたのだが、日本中あらゆる場所に(もしかしたら世界中かも?)出没すると聞いてからは、「また出た」とニヤニヤ背中で観察するようにしている。
先日も1人でレジに並んでいて順番が来た時、店員さんに「ご一緒ですか?」と聞かれて驚いて後ろを振り返ったら、自分のカゴをレジ台に乗せて私のカゴにぐいぐいと必死に押し付けているおばさんがいた。「いいえ違います!」キッパリと否定してまた後ろを見たが、おばさんは目も合わせずに私にピッタリ寄り添ってくるではないか。さすがに少々気持ちが悪かった。詰め寄ったところで会計が早くなるわけでもないのに、なぜおばさんはこうなってしまうのか。
一説によると、おばさんになるとパーソナル・スペース(他人が侵入すると不快感や嫌悪感を感じる領域)が狭くなるとか。調べてみると
一般にパーソナル・スペースは年齢とともに大きくなり、40歳頃をピークに再び縮小傾向を示す。
性差に関しては、一般に女性のパーソナル・スペースは男性のパーソナル・スペースよりも小さいとされている。
などと書いてある文献があった。つまり高齢の女性である”おばさん”は、ずかずか人の領域に入ってくる生き物なのだ。そして40歳を境にそうなっていくというのだから、私も傍観ばかりしていられない。明日は我が身である。もちろん性格によってもこの大きさは変わるというので個人差はあるだろうが、年齢を重ねても他人を不快にしないように気をつけなければと思った。
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パーソナル・スペースの侵害による不安喚起が平衡機能に及ぼす影響 斎藤 富由起(松本短期大学)
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