家の中で物が忽然と消えてしまう特殊能力

 また急にピアスが片方だけ消えてしまった。ずっとつけていたお気に入りのスワロフスキーのスタッドピアスなのに、明日からどうしよう。こうなると1週間は出てこないから困ったものである。

 私は小学生の頃から「家の中で物が忽然と消える」という特殊能力(?)を持っている。そういう現象は、だいたいポロっと手元から何かを落とした時に起こる。さっきまで手に持っていたものが下を見るともう無いのだ。まさに「消える」という感じ。
 普通にポロっと物を落としただけの時は、もちろんすぐに見つかる。でもこの「忽然と消える」時は必死に探しても絶対に出てこない。床を這いつくばったり、家具を動かしたり、とにかく一度全てを別の場所にどかして目を血眼にして探しても絶対に見つからない。それなのに、1週間~1ヶ月たった頃にその全く同じ場所からまたしても「忽然と」出てくる。

 もう本当に笑っちゃうけど、こういうことが数年に一度は起こる。結婚してからもよく起こるし、そのたびに夫も参加して一緒に探してくれるので、夫婦の間では公然の事実である。
 私はこれを「時空の狭間に紛れ込む」と呼んでいて、夫にも「また変な時空に行っちゃったねえ」と慰められる。とはいえ最近では夫も慣れたもので「どうせ探してもムダ。そのうち出てくるでしょ」とあまり探してくれない。

 ただ悲しいことに、加齢とともに置いた場所を忘れたりして「普通に物をなくす」ことも増えてきた。なので体感的に1ヶ月に1回ぐらいは探し物をしている気がする。何が普通になくした物なのか時空に紛れ込んだものなのかわからないので、とりあえず家具を動かしながら数時間探すのだが、全く見つからない時はげっそり疲れきってしまう。
 どうにか「忽然と消える」原因と対策がわかるようにならないものだろうか。この件に関してもし何かわかる事があれば、どなたか教えてください。

 どうでもいいけど、私は「安い電子製品を触ると壊してしまう」能力も持っている。例えばノーブランドのデジタル時計とか、腕につけてると速攻で壊れる。デジタル時計の場合は表示がおかしくなったりするのだが、外しておくと直るし他の人がつける分には正しく動くので、私の体から何か出てるのかもしれない。電子工学が専門の私が言うのだから間違いない(←アホなのか?)
 中学生のころは中二病をこじらせてたのでこういうのをまとめて「超能力」とか呼んでたけど、全然ありがたくない能力ばかり。あ、たまに「人の心が読める」「未来予測ができる」ので「超能力だ!」と言われてたけど、たぶんHSP(Highly Sensitive Person)ゆえ観察力が鋭すぎて先がわかっちゃうだけなのだと思う。だから本当に謎の特殊能力は、前述の2つだけ。
 でもこの「忽然と消える」のだけは本当に勘弁してほしい。

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