消し忘れ

続々・どんぐりの背比べ

 うちの夫は忘れっぽい。どうでもいい事はすぐ忘れる、というか覚えていようとも思わないらしい。身近な所ではトイレの電気を消すのを忘れる。あまりにもしょっちゅう忘れるし反省もしていないようなので、私一人がガミガミ言うのも疲れるだけと思い”人感センサー付きLED電球”を買ってきた。人がトイレを出て5分ほどすれば自動消灯してくれるという。
 これなら私がイライラすることもなくなるだろう。そう思って楽しみに見ていたのだが、まず夫はトイレに入った時に自動点灯したことにも気づかない様子。そしてなぜかきちんと電気を消して出てきた。「ちょっとちょっと!」とセンサー付LEDライトであることを説明すると、「そんなのわかるわけないじゃん!電気なんて無意識だよ」と言う。この電球は電源を切ってしまうと次につけた時にウォームアップモードになりまたすぐ消えてしまうから、電源は切らないでほしいのだ。そんなわけで今度からはスイッチを触らないようにお願いしたのだが、そんな”どうでもいいこと”を覚えているはずもなく、夫はなぜかそれから毎回トイレの電気を消して出てくるようになった。
 切れと言うと切らないし、切らないでと言うと切る。どうすりゃいいの?苦肉の策で、トイレのスイッチはテープでONに固定することにした。さすがの夫もテープの力には勝てないらしく、スイッチが動かないとなるとセンサー付き電球であることを思い出すらしい。「こりゃあいい」と喜んでいた。ただ問題は、夫が電気を消し忘れるのはトイレだけではないという事。廊下でも洗面所でも自室でも、通り過ぎた場所はかなりの確率で電気がつきっぱなしなのだ。かと言ってすべての電球をセンサー付きにすると、バカになりそうじゃない?(笑) とりあえずトイレだけにしておくことにする。
 余談だが先日この話を、やはりトイレの電気を消し忘れて母に怒られてばかりの父にしてみた。すると父は「前にその電球と、普通の電球を半分の確率で消し忘れたときの電気代を計算して比べてみたけど、得にはならなかった。だいたい消し忘れなんてたいした電気代ではない」などと屁理屈を言ってきた。そういうことばかりでもないんだけどね。悔しいから適当に「それは最新型の電球の消費電力で計算したの?何分間つきっぱなしという仮定で計算したの?」などとまくし立てたら黙ってしまったので、父も適当だったのかも。私もたいがいかわいくない娘だが。

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