女性だからとか関係なく

続々・どんぐりの背比べ

 ここ数日ネットの動きが気になって仕方がない。というのも下世話な話だが、例のSTAP細胞論文を発表した小保方晴子さんの博士論文に大量のコピーペーストが見つかるという前代未聞の出来事が発覚しつつあり、現在もまだ検証が続いているのだ。ジェットコースタームービーを見ているようで夜も眠れない。今回の件が面白いのは、ネット(おもに2ちゃんねるの学問板)で匿名の科学者らしき人達が見つけた事実を有名科学者たちが実名でtwitterで拡散し、あとからマスコミが報道するというこれまでとは全く逆の動きが起きていることだ。しかも情報はほぼ公開されている事実なので、生物の素人にもわかりやすくて実に興味深い。ネットがなかったらここまで早く不正疑惑について取り上げられることもなかっただろうと思うと、頼もしいような怖いようななんとも複雑な気持ちがする。
 それにしてもこの件で、地道に頑張っている他の女性科学者たちが「だから女性は」という目で見られてしまわないか心配だ。女性科学者たちが一概に「リケジョ」という謎のカテゴリーで括られないように切に願う。STAP細胞論文が発表された当初、小保方さんは「リケジョの星」などと言ってもてはやされていた。確かに会見の時の小保方さんはなんというかちょっと異質なオーラを放っていてマスコミの格好の餌食になり、プライベートはどうでもいいのだが仕事中も?とTPOをとても重んじる私などはものすごい違和感を感じたものだ。「今は時代が違うのかな」などと首を捻っていたものだが、Facebookで日頃からいろいろ頑張っちゃってる知人女性(文系の人だったけど)の少しヒステリックな発言などを見ると、あまりそういう事を言ってはいけない雰囲気だった。でも現在発覚しつつある数々の論文に対する不誠実なやり方を知るに連れ、果たしてこの人は本当に真摯な態度で必死に仕事をやっていたのだろうかと、科学者としての姿勢に疑問を感じざるを得なくなってくる。そしてまた一般人のtwitterなどには、報道のタイトルだけを見ているのか「女性だから嫉妬されてる」「出る杭は打たれる」といった擁護の声が上がっていて驚く。科学の世界なのだから事実は事実として認めないといけないし、真実は追求されるべきだと思う。そこに女性云々は関係ない。そういう訳で今後もネットの匿名科学者さんたちの動きには注目だし、なによりご本人および関係組織の誠実な対応が待たれるところである。
 あと余談だが、こういう仕事に「女性枠」って要らないと思うのだ。能力のある人は男女関係なく登用されるべきで、事実実力で第一線で頑張っておられる女性は多いし、逆に女性だからという理由で能力以上に持ち上げられるのもおかしな話。こんな事を言ってるとまた自称フェミニストの人に怒られそうだけど。

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