保護者

テレビ

 数日前のことになるが、最近は大学の入学式にも父母や祖父母までもが出席するというニュースを見た。嬉しそうに子供と写真を撮ったりしている様子は微笑ましく見えないこともないが、インタビューされた母親が「一緒に受験を頑張ってきましたし」とか「箱入り息子で育てましたので」などと嬉々として答えているのを見ると、それを聞かされる子供の気持ちはいかばかりかと想像してちょっと引いてしまった。小学校や中学校の入学式への同伴は”引率”の意味もあるだろうけれど、大学の入学式への出席は親の自己満足でしかないのだろうと思う。
 そういえばうちの母も私の大学の入学式に出席していた。母の古い友人のご子息が私と同級生で同じ大学に入学することになったので、じゃあ二人で見に行こうかという話になったのだという。よく覚えていないが私は友人と待ち合わせをしていたので、母たちとは一緒には行かなかった気がする。だからその時は特に何も思わなかったが、一緒に行こうとか写真を撮ろうとか言われたら、友人の手前もあるし私は嫌がったかもしれない。過保護で鬱陶しいばかりだと思っていた母だが、今思えば意外とそうでもなかったのかも。
 それで思い出したのだが、少し前の「ホンマでっか!?TV」で心理評論家の植木理恵先生が言うところによれば、

1人暮らしに母親が3週間付き添うと成績が下がる!?

のだそうだ。大学は授業行程を丁寧に説明しないケースがあるので、最初の3週間で大学の雰囲気を読む事が大切なのだが、上京についてきた母親が家にいるからと早く帰宅するようだと雰囲気が掴めず成績に影響するのだという。まあ確かにそれだと友達もできないだろうから、色々な情報のネットワークから漏れてしまうだろうとは思う。友達作りより母親を優先する子供などいるのかなと不思議に思うものの、植木先生曰く「1週間が限度」なのだそうなのでお母さま方は気をつけていただきたい。
 前述のニュースに戻るが、遠方で入学式に参加できない父兄のために、ネットで入学式の中継をする大学があるという話題もやっていた。ニュースでは「なんとネットを使ってまで」のような伝え方だったが、私はこちらの方がよほどいいのではないかと思った。わざわざ着飾って出席すると仰々しい感じになるが、やはり気になるから見てみたいという程度ならネットで十分ではないか。これなら子供だって嫌がらないだろうし。
 そしてそれら”入学事情”のニュースを伝えていた大越キャスターのブログを見つけた。大越さんは放送で時間があれば

「私のいちばん古い記憶のひとつは保育園の入園式。自分の親に『ついてこなくていいよ』と言ったことを覚えています。時代の変化ですねえ」

と言おうと思っていたそうだ。ところが放送終了後、ふと思い出してお母さまに電話をして「ちょっと保護者が熱心すぎやしないか」という話をしたら

「あらそう?あんたの大学の入学式、お父さんと私で行ったわよね。とってもよかったわよ」

と言われてしまったというオチがついていた。意外と子供が覚えていないだけで、遠くから見守っているそんな親も多いのかと思ってニヤっとしてしまった。
 ちなみに昨今では、入社式に「保護者席」を設ける会社もあるそうだ。ある流通大手は「保護者代表の挨拶」とか「保護者向け研修」もあるそうで、これにはただただビックリ。あれ?今見たらこの元ネタはとある方の4/1のブログなのだがエイプリルフールなのかも。

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