テレビをやめたら

続々・どんぐりの背比べ

 最近は本当にテレビを見なくなってしまった。丸1日全くテレビをつけないこともあるほど。以前の私はテレビ依存症かと思うぐらい、起きてから寝るまでつけっぱなしだったのにこれはどうしたことか。とは言っても、これまでもただテレビをつけていただけで内容などほとんど頭に入ってこなかったので、電気代の無駄遣いがおさまっただけとも言える。ニュースなどそんなすぐに知らなくても私の人生にはさほど影響がないし、タレントやコメンテーターの意見には頷けないことが多くてイライラするし、テレビをつけなくなってからなんとなく快適。
 けれども、静かなリビングでボーっと過ごしていると思わぬ弊害が出てきた。前にも書いていた上の階の女の人の悲鳴が、朝も昼も夕方も聞こえてくるようになったのだ。これまでは深夜になると叫び出すのかと思っていたのだが、そうではなくてテレビの音にかき消されて聞こえなかっただけだったことが判明。
 私の頭痛の頻度が下がったこともあり、最近の日中の悩みのタネはもっぱらこの悲鳴になってしまった。「まだ通報してなかったの?」と思う方もいるかもしれないが、子育て経験のない私にはこれがただの育児の範疇なのか判断がつかなくて困る。私が小さい頃の母の怒鳴り声を思い出して異常にこの手の音に反応してしまうだけであって、もしかしたら他の人には気にならないよくある事なのかもしれない。マンションの防音自体はわりとしっかりしているので、「きぇー」などという悲鳴だけは鉄筋を伝ってよく聞こえてくるものの、他の怒鳴り声は何を言っているのか判別がつかない程度の遠い音。子供を叱りつけているというのは私の思い込みなのかもしれず、一人で奇声を上げているだけなのかもしれない。だとしたら精神的な病気かもしれないし、それをうるさいと苦情を言うのも違う気がする。
 ちなみに私は絶対音感があるのだが、その人の怒鳴り声は1オクターブ高い「ソ」でかなりの高音だ。逆によく喉も潰れずにあんな高い大声が毎日続くなあと感心したり。そして何気なく昔のブログを見ていて気づいたのだが、私は1年前からこの声に悩まされていたようだ。当時は「ビクっと身を硬くしていた」ようだが、最近はもう慣れたもので「また始まったな」ぐらいにしか思わなくなった。
 鈍感だった夫も最近はこの声に気づくようになってきたのか、私が「虐待だったらどうしよう」などとあまりにも気にするから私の方を心配しているのか、「そんなに気になるなら管理人さんに相談してみたら?」と言うようになった。こういうのって管理人さんでいいの?管理組合?管理会社?それとも児童相談所?でも私って、これまでも度々お節介なことをして逆に迷惑がられたり逆ギレされたりロクなことなかったから、確たる証拠があるわけでもないしやめた方がいいんだろうと思ってしまい、やはり重い腰が動かない。
 そもそも都会で静寂を求めるのは無理がある。テレビをまたつける気もしないので、音楽でも聞くようにしてみようかな。

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